~はじめに~
「インクルーシブデザインとは、エクスクルード(除外)された人々をメインストリーム(主流)へインクルード(包含)するための考え方。」
困難を持っている方をどうアイデアを持ちよりメインストリームとなるべくプロセスをデザインしていくかが課題でしょう。
より人間的であり、個性が活きる考え方だと思いました。
リハ専門職においてもぜひ知ってもらいたい・・・
~公演内容の概要~
『共感するイノベーション インクルーシブデザイン ― 10年の歩み』展 メインスピーカー:ジュリアカセムさん
エクスクルードを理解するとメインストリームのイノベーションが生まれる。その例としてタイプライターは19世紀の視覚障害の貴婦人が友人へ手紙を送りたいというニーズから産まれた。チャールズ・レイ・イームズは積層合板を用いて脚用の添え木「レッグスプリント」は海軍で採用され、その後この技術を用いてチェアの設計を行った。
インクルーシブデザインを理解する上で5つの大切なポイントがある。
①インクルーシブデザインの背景を理解する。
障がい者と一緒に考えて行くことが大切である。
現状はステレオタイプで安全、機能性のみで退屈でダサい。
障がい者のグッズは市場がまだまだ小さい。
②仕組みを創造する。
障がいそのものが創造のステイツである。
障がい者との失敗の共有の中で面白い工夫が生まれる。
co-create(共創)し、いいパートナーシップをつくることが重要である。
③デザインの問題(デザイナーズ・クエスチョン;DQ)を理解する。
デザイナーと障がい者のプロセスのデザインが全然違う。
慢性関節リウマチと健常者の絆創膏の貼り方は異なる。健常者と同じことを聞いても仕方が無い。
デザイナーは当たり前の(知ったような)態度を取らない。もっとクリエイティブに。
認知症の高齢女性に携帯での代償を提案の失敗。DQは彼女の「携帯が嫌いだ」という概念であった。
プロダクトを作ることが目的ではなく、目標へのプロセスを設計することが大切である。
美しさは失敗から出てくるものだ。リ・ブランディングを。
④一つではなく複数のシナリオを考える。
共通点をどのように考えるか。
⑤コラボレーション(共同作業)を行う。
サラエボでは補助にて聴覚障がい者の就業支援をしていたが、補助がカットされた。デザイナーはネットワークを作って、工房とデザインをつないだ。いいパートナーシップと、いいプロセスであった。
よく歩き、多く話す、経験していることを試す、失敗を繰り返すことが大切である。
チャレンジは大きい方が良い。サービスデザインにはコラボレーションが不可欠。
~UDワーク(リハ×UD)から考える~
「インクルーシブデザインとは、エクスクルード(除外)された人々をメインストリーム(主流)へインクルード(包含)するための考え方。」
障がいというものをポジティブに捉え、新しいより良き社会や生き方のためのイノベーションともいうべき考えだと思います。
ほとんどのデザインとは生活活動・行動を主体的、個別的に実現させるためのツールであると言えるのではないでしょうか。
普段何気に当たり前にあるものが、それが何のためにあり、どういう対象・プロセス・デザインのもと考えられたのか。まず起きている事象を洗い出し、もう一度それが何の目的でできたのか、までさかのぼり、改めて社会状勢や対象によって、より良いものを創造していく。そうしたプロセスから生まれてくるものは、社会を変える大きな力になるべきものなのではないでしょうか。
そのプロセスでは、障がいを持った方とパートナーシップを築くこと、そして、解決方法の具現化のため、他業種との協働作業を行う必要があります。(文:前田亮一)