2020.12.1ふらんす堂刊行
津川絵理子句集『夜の水平線』


年末が近付いているせいか、ばたばた忙しく、毎日気絶するように寝ています。毎朝6時に起きないといけないのが、寒さが辛く起きれなくなってきてしまい、6時20分頃に嫌々起きる日が続いています。これでは倒れてしまいそうなので、今週の日曜は頑張って8時30頃まで眠る事が出来ました。

世の中で一番楽しいのは眠る事かもしれません。どうも寝るのにも体力が要るらしく、学生の頃のように何もかも忘れて昼まで寝続ける事は出来なくなってしまいました。昼まで、また寝てみたいなぁ…。

今日は津川絵理子さんの句集『夜の水平線』を読みます。

津川絵理子句集『夜の水平線』

受話器置く向かうもひとり鳥渡る 

こちらも、向こうもガチャリ。

夏の山ブルドーザーの黄の孤軍 

頑張っているブルドーザー。下五、確かに。

たどりつくところが未来絵双六 

京で無くても。

春近しらららとうごく鳥の舌 

細かく震える鳥の舌。らららが可愛い。

狂ほしき犬の挨拶アマリリス 

楽しくって仕方ない犬の様子。

タランチュラなめらかに来る夜長かな 

驚いた句。地を滑るようになめらかに…。

日短か雀が雀ねぢ伏せて 

雀の世界も厳しい。

蜻蛉すいと来て先生の忌日かな 

清らかな風のような句。

ちよいちよいと味噌溶いてゐる桜どき 

生活を楽しんでいる様子がよく伝わります。いきいきしています。

木の実降る一頭づつの馬の墓 

合同とかでは無いところが嬉しく、優しい。

缶蹴りの影ぱつと散る夕桜 

みんなどこかへ。懐かしい日々を思い出しているのかも。

夕虹や紙の棺に木の墓標 

紙の棺で哀しくも清らかな句に。

立春や腕より長きパンを買ふ 

持って帰るの大変だけど、持っているとお洒落に見える、それが長いパン。

冬晴の日に読むのに相応しい句集でした。
今年も少なくなってきましたが、なんとか元気に頑張りましょう。