2020.3.6角川書店刊行
大場梅子句集『梅子句集』より。

毎日毎日、なんだか生きたぞと胸を張って生きている感じがありません。コロナ騒動で外に遊びに出る事がありませんから、なんだか気持ちが暗くなります。家にいると俳句ばっかりやっているんですが、人間に、会いたいなぁと。

たまには古志の仲間の句集も書いてみようかと思います。大場梅子さんの句集『梅子句集』です。タイトル素晴らしいですね、直球。明るい気持ちになります。

大場梅子句集『梅子句集』

りつぱな巣かけて鴉の見あたらず

巣、あるのみ。

こんな服あつたかしらん更衣

あったかしらん、買ったかしらん。

天気図の真つ赤に燃える炎暑かな

絶対暑い。

鉄板に焼かるるごとき残暑かな

残る暑さと言うか、暑い。前書きは「大文字」とあります。

蠅叩くことも仕事の一つにて

リモートワーク、違うか。ちなみに前書きは「香港」です。

ひと泳ぎして蛇穴に入りにけり

あらよっと。

天気図にずらりと春の雪だるま

季節外れの。可愛いけど困る。

人として上等であれ草の餅

そして餅を食うべし。

着ぶくれてとんちんかんなことばかり

あたふたと、うろうろ。着ぶくれると不思議な事に色々スマートにいかない。

太閤が名づけ親とはうぐひす餅

華やか華やか。

奥伊豆の一日長しや花の風呂

する事もないののが最高の贅沢。

分け入つて心の梅を探りけり

遊び心を大切に。

苺赤し食ふも食ふたり六十個

前書きに「夫は」とあり。ここ大事。それにしても食べましたね。

松茸や土瓶蒸よりあふれでて

あふれでる松茸。清々しい贅沢。俳句はケチじゃない方が良い。

わが胸をあふれて水の澄みにけり

スーッと澄む。豪華で繊細。

じゃ、皆さんどうか
今日も元気でいましょう。