57 『シュミじゃないんだ』 三浦しをん   (新書館)    ★★★



BL(ボーイズラブ)をこよなく愛す直木賞作家・三浦しをんのエッセイ。


BLに対するしをんさんの想いがページの隅から隅まで満タンに詰まっているエッセイです。
たまたま、書店に行ったら詰まれてあったので、何にも考えずに購入しました。
が、読んでビックリ。
もともとBLモノ自体が読んだことなかったので、正直わからんところもあったんですけど、「BL漫画の食わず嫌いはとてももったいない」と随所にあったので、なんかちょっとそそられました。
いいな~と思った作品を人に伝えるのはボキャブラリーが乏しい私には大変に難しいことなんですけど、BLを知らない、興味が全くなかった私もついつい「おっ、今度読んでみようかな」とまで思えてしまいました。
それぐらい、色んな角度からBLへの熱き思いを語られています。
しをんさんの筆力と熱意に感動です。




56 『サウスバンド(上・下)』 奥田英朗    (角川文庫)    ★★★★



小学6年生の上原二郎は、21歳でグラフィックデザイナーをしている姉・洋子と小学4年生の桃子、父・一郎と母・さくらの5人家族。

何故か他の家庭とちがい、二郎の父はほとんどは毎日のように家でごろごろしているだけ。

それに区役所から国民年金課から来た職員には居留守を使い、会えば体制に雇われているイヌになど話をする気はないといい、家庭訪問の教師・南愛子には君が代斉唱や日の丸掲揚、天皇制について議論をふきかける始末。

実は上原一郎は、警視庁のホームページにも載っているような伝説の過激派の闘士だった。


第1部では中野区を舞台に、そして2部は沖縄で。

1部ではどうしても、よくわからんかった父・一郎が沖縄ではみるみる力を発揮します。

もちろん過激な言動や行動は変わりませんが、一郎の意思は決して変な仲間意識や昔のえで動いているわけではないんでしよね。

そんな父の姿に二郎も、そして家から敬遠していた姉も、一番生き生きとしたのはお母さんですかね。

最後は少しせつない終わり方でしたが、あの両親の姿を見て、子供達はどう生きていくのか。


DVD観てみたいなと思いました。

55 『都立水商!』 室積光  (小学館)    ★★★



眠らない街新宿歌舞伎町にできた商業高校、その名も「都立水商」、通称「おみずしょう」。
「工業高校や商業高校がある中で水商売の高校がないのはおかしい!」というある文部省のめちゃくちゃな一言からあれよれよと設立され、日本ではじめての水商売専門の高校ができてしまった!?

話はそこの教員だった男が設立当初から順に水商の歴史を振り返っていく形式で進みます。
読んでいて「そんなアホな」と思いつつ、自分も含めて回りの誰もが気づかなかった一人一人の可能性が沸き出していく姿にどんどんひきこまれていきました。
水商ならではの学園祭とかいろんなアイディアがちりばめられていて、読んでいておもしろかったです。

今、この話は漫画になっているみたいですね。
漫画は読んでいないのですが、漫画じゃなくても一気に読める本です。