60 『田村はまだか』 朝倉かすみ   (光文社)   ★★★★



小学校のクラス会の3次会。

場所はススキノのバー「チャオ!」。

そこにいるのは男3人、女2人の5人組。

しかし、あと1名が中々こない.ー。

ーー「田村はまだか」。


その名の通り、「田村はまだか」と3次会で遅れてくる田村を待ちながら、それぞれの思いにはせる5人、そして「チャオ!」のマスター。

中々姿をあらわさない田村を待ちわびながら、5人の様々な思いをつづっていく連作短編集です。

こんなに待たした田村はホンマにここにくるのかどうかは、最後までのお楽しみです。

でも、こんなに待たれている田村ってすごい存在ですね。

59 『GOTH リストカット事件』 乙一   (角川文庫)    ★★★



「僕」と森野夜の連作短編集。
2人の共通点は、人間の処刑道具や拷問の方法など、人間の暗黒面への興味が非常に強いこと。

実は初めての乙一作品。
ずっと気にはなってたのですが、図書館でも人気みたいでようやく読めました。
出てくる登場人物がかなりホラー。
主人公の2人の存在もそれ以上にホラー。
こんなに身近に怪奇事件があっていいものだろうかと思いつつ、はまってしまいました(^^ゞ
この作品の中では、「犬」にも驚きましたが、やはり「声」でしょうか。
あれもこれも、このための伏線だったとは。
そして何より、森野の人間らしさというか、実はまだまだ可愛らしいところがあったことに、ホッとさせられました。

58 『聖母の深き淵』 柴田よしき   (角川文庫)    ★★★★



主人公である村上緑子は男の子を出産し、母親としての幸福の中にいた。
仕事でも、下町の所轄署に異動となり穏やかな刑事生活を続けている中で様々な事件が勃発する。
はじめは何の繋がりもないと思われていた事件たちが緑子の中で次第に繋がってゆく・・・。


「RIKO-女神の永遠-」に続く緑子シリーズ第2弾。
緑子もいよいよ母となりがんばり度が増していますね。
守るべきものがある人は強くなるというか、でもたまに読んでいて正直、緑子の身勝手さも感じてしまいます。
だから個人的に「聖なる黒夜」の麻生龍太郎が緑子に説教しているところはあっぱれ!と思ってしまいました。
でも、暴走緑子に不愉快を若干感じても、物語の内容はとても食いついてしまいます。
柴田さんの筆力やなと思います。
なので、この緑子シリーズも結局大好きなんです