「パーマ失敗、チリチリで結婚式台なし」 490万円賠償、美容院に勝訴できるものなのか

結婚式を前にした女性が デジパーで失敗され その後2度にわたる矯正をかけたが 更に悪化し カットを余儀なくされ 精神的慰謝料と 6年間のヘアケア料 で 併せて490万円の請求裁判を起こしたとの事・・・・ワイドショーでも扱ってました。

6年間のヘアケアは大袈裟?と思います。 同じ美容師としては・・ 結構理不尽と感じています
・・・が
正直怖い・・ 怖い話です。 
先ず細かい所から”デジタルパーマ”と登録商標がそのまま公に出ているのは うちで使っている ”パイモア”の機械と 同じ可能性があります・・使い方を間違えれば 明日は我が身・・
以前このデジロッドの温度を測ってみると 60度設定でも104℃まで上がりました。 ペーバー挟まないと沸点超えてしまいます・・・

デジタルパーマは 髪にかなりの負担を伴う技術なので 施術方法より 元のダメージの見極めが重要と思います。 それから 意外と見過ごされいると思われるのは カラーリングの傷み!  
熱系の矯正パーマも同様ですが 下手をするとデジタルパーマのほうが負担が大きいので カラーリングで髪内部が不安定になっている常態に 熱によってタンパク質の傷みが通常より進む事を考慮しないと 髪が持たないように思います。
 特にホームカラーを繰り返して 一見黒髪の 健康毛に見えてしまう髪とか・・ 白髪染めであれば 新生部が白いので見抜くことができるのですが 学生さんの黒髪戻しとか 一般の方でも 明るくなりすぎた髪を 黒染めしている場合 履歴を聞いてダメージを推察するしかないので ここで見誤ると かなりの確立で失敗すると思います。

薬剤ですが 傷んだ髪には それ相応の薬剤が存在します また傷みの進行を防ぐ処理剤とかもあり 知識とテクニックと 経験を駆使すれば かけることは出来ると思います。 ただし 傷みの度合いによっては 加熱で髪の限界を超えるため その場では綺麗になっても 後々 一気に傷みが出てしまいます。 (限定記事だから書きますが・・) 自分も過去に 薬剤とか処理剤に変な自信を持って何人も傷んだ髪を創ってしまいました・・
薬剤や処理剤ををチョイスして かけた直後は一時的に髪が直ったように見えたりしますが・・ 実はこれが曲者で パーマ液と共に入った油分が 一時的に留まっているだけ?のようで シャンプーしたり また自然に抜けていくので 気がつけば 施術前より傷みが進行している なんて事が普通に起きていた様です。
自分も直後が綺麗になった髪を見て いい仕事が出来たと自己満足していましたが 次回お見えになったお客さんの髪を見て 折角綺麗になったのに・・何かおかしいという違和感を感じていました。お客さんのホームケアが問題なのかな?とか考えてましたから・・ 危なかったです。 

思えば 今までに 3浴式のトリートメントを取り入れてみたり ハナヘナのトリートメント効果を追及したのも デジタルパーマや 縮毛矯正による傷みを何とかしたいという事が根底にあります。

トリートメントをしてもハナヘナをしても 髪が元に戻ると言う事は絶対にないので 次にカットする時まで持たせる手段と考えています。
で デジタルパーマでのかけ直しは 多分 上手にやって2回が限度と思います。 或いは 根元矯正 毛先カールをした場合は 毛先カールは2度目の加熱になるので・・ 理論的にその部分は それ以上かけ直しは避けたほうが良いでしょう かけ直す際は カットが必然になると思います。

話は戻りますが 訴訟を起こされた件
半年の間に デジと矯正2回繰り返したとの事ですが・・・
多分 1回目のデジタルパーマで限界を超えてしまっていたのではないかと思います 実例で 似ている?いや 訴訟の女性は 1月にかけて5月に矯正しているのだから こっちの方が酷いかも・・ 傷みは何らかのケアをしておかないと ジワジワと進行してきますから・・

 

古い記事からですが・・ ビビリ毛補修から 3年かけて長さを保ちつつ トリートメントと定期的なハナヘナで保護して 再度デジタルパーマ成功しました。

以前ブログで検証したこのパターンで
実は この髪 美容室を出るときはそれなりに綺麗な仕上がりだったそうです。 ただ 家でシャンプーをしたら こうなったと言う事で これを施術した美容師さんは・・多分こんなになってしまった事を知らないと思われます。

たまたまビビリ補修が1回目である程度何とかなって 3浴式のトリートメントが上手くいき 途中からヘナも投入して何とか持たせて 3年かけて伸ばした上で 再度デジタルパーマをかけることが出来ました。
まあ上手くいった稀な例でもあり 同時に自分もかなり考えさせられ また "ただの草”の威力と魅力というものを 気付かさせられました。

それこそ・・ デジタルパーマを導入して もうすぐ10年になりますが 当初はこのパーマシステムに惚れ込んで 矯正後にカールが出来るのは この形状記憶パーマでしか出来ないと宣伝して 後から来る傷みの危険も知らずに カラー毛でも化粧品のパーマ液で大丈夫と言いながら 
バンバンやりました。 それこそ平気で3ヶ月に一度ペースとか・・暫くするとえらく髪が傷むので システムトリートメントに走った と言うのが現状です。

今思えば とか 時が違えば 自分も訴えられた可能性は有ったと・・・ いや 今からでも油断したり過信したりしないよう気をつけないといけないですね。

他のブログでも書いてきたように 今はなるべくリスクを減らすため かけ直しの際は 必ず傷みの出る部分は取り除く(カットで)事と 定期的なヘナを入れる事で カールの持続と髪の強化をしながら スタイリングしやすいヘアスタイルを提供していきたいと思います。


ロングの毛先カールなら 15~20cmのカールで 1年に1回のデジで 持たせる事が出来れば理想です。

 
  

ストデジ+へナは昨年の1月(画像無し・・) 左の画像は昨年6月にリタッチ矯正+中間へナ 12月に表面のみリタッチ矯正+へナ+毛先を少しカットして 右の画像は1月末に定期へナ染め後です。 仕上げにホットロールブラシも使いましたがまだカールは残っています。 予定では3月にカール部分をカットして再度ストデジ+へナをします。 結局1年以上持たせてしまいました・・・ 

パーマの回数は減ってしまうので 稼ぎのことを考えると・・でも その分ハナヘナで定期的にご来店いただいてるので良いと言う事で・・
因みに この方も 既にハナヘナ中毒wwの域に達していると思われます。

自分にとってはハナヘナは救世主みたいな所もありますが(今回は書いてないけどタンニンも)
だからと言って過信しないよう しっかり検証しながら使っていきたいと思います。

願わくば・・ 今回の美容室が訴えられるような空気が蔓延しないよう・・ 常識的に沈静化して欲しいものです。