結局浮舟は生きていました。

横川よかわの僧都の一行に瀕死のところを

助けられ小野の尼寺にかくまわれます。

 

浮舟は記憶喪失になっていてまったく過去の

ことは思い出せません。

 

尼寺では亡くした娘の身代わりに授かったと

尼君は必死で看病しますが本人は死に損なった

ので尼にしてくださいとせがみます。

 

徐々に記憶を取り戻していくにつれ、浮舟は

元の高貴な輝きを増していきます。

 

よほどの秘密がおありなのだと尼君たちはひた

隠しておりましたがとうとう殊勝な亡くした娘婿

に見つかってしまいます。

 

しつこく求婚される浮舟は尼君たちが初瀬詣でに

行ったすきを見て僧都の下山の時に出家を願い出ます。

 

大急ぎで落飾受戒を済ませて僧都は加持祈祷のために

宮中に上がります。そこで僧都は祈りの後、中宮と薫の

愛人小宰相の前で浮舟のことをうっかり話してしまいます。

 

ついにそのことが薫の君の耳に入ります。