老いたる源氏117『どきっとするのはこっちのほうじゃ』 そう思いながら源氏はすっと徳利に手を伸ばし自酌します。 「まあ、まるで目が見えるよう!」 「なあになれじゃなれじゃ。厠も庵の周りを歩むのも一人でできる。人生喜び もどんなに悲しい出来事