こんにちは 私です。

モデルロケット全国大会 ~2022 秋大会機について~

とあるように2022秋大会機の設計について書き記したいと思います。

 

 

2022夏大会にて、いろいろ聞いて回った際に

界隈では有名であろう某○○屋さんの機体の軽さに驚かされました。

確か機体全体で一桁台ですからねぇ,,,恐ろしい

 

使用していた素材も教えていただいたのですがメモを取らないというやらかしをしてしまい、

うっすら覚えている単語を調べても出てこず,,,

 

 

ただ軽量化がカギであることは確かかなと思ったため、今大会は軽量化重視で挑みました

 

 

 

長くなってしまうので重要な所だけ先に

 

機体諸元

 

open rocketでの設計データです googleドライブのリンクになっています
 
前述のように、今回のテーマは機体の軽量化
従来の設計より以下の点を変更しました。
  1. ノーズコーンの先端に楊枝を刺し、全長をかさ増し(安全上の観点より今大会からNG)
  2. エンジンからも足を生やし、全長をさらにかさ増し
  3. ボディをコピー用紙1枚で制作
 
実際にこの設計と以上の改良点で大会に挑む予定でした
が、いろいろあって(後述。コロナが悪い)急遽 高度用からパラシュート競技用に改装いたしました。
 
その為にノーズコーン上部の楊枝を撤去
代わりに機体内部を拡張し、直径600㎜のパラシュートを収容できるようにしました。
 
 
改装後、大会前日の写真がこちら↓
今でもあの力んだだけで潰れてしまいそうな機体の柔らかな感触を思い出します。
怖すぎて直前に注意書きを書いたほどです

 

大会の結果 

 

実は設計変更だけでなく、諸事情により現地に行くことがかなわず、チームメンバーに打ち上げを任せることに、
結果は危険飛翔のDQで結果なし
でした
 
やっぱりちょっとでも設計をいじっちゃうとよくないのかしら,,,
 
試験後の車の中でLINEを見たときはショックを受けつつも、まぁそうだろうなみたいな感じでした
しかしもうこれは癖ですが、大破しているのも趣があってよい
 
「なんだこのゴミみたいなロケットは」

「危険飛翔じゃ参考にならんわ」

と思ったそこのあなた、

 

かの、ビスマルクもこう言ったそうです

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

「賢者は先人の事跡に学ぶが、愚者は自身の経験でしか判断できない」

 

 

もしかしたら参考になれる部分があるかもしれません

一番最後の「反省・終わりに」だけでも読んでいってくれると私も嬉しいです。

  1. かさ増しの方法とその設計について
  2. ボディチューブの軽量化について
  3. 全体の設計について
  4. 改装により発生した不具合について
  5. 大会結果の解析
  6. 反省・終わりに
 

 

軽量化①機体全長のかさ増し 

 

日本モデルロケット協会のHP、競技規則のページに次のような記述があります。
高度競技で使用するロケットは、全長240mm以上、 その内50%以上が直径25mm以上でなければならない。

 

製作段階で最も軽量化が図れると思ったのがボディチューブ、

そしてその長さを削減するのであれば、 120mmがD=25mmであればよい ということになります。

 

つまり最低限のボディチューブを作り、足りない部分は何らかの形で延長してしまえばいい

という結論に至りました。

 

先端の楊枝に関しては所属するチームの先輩がやっていたので技術的に問題なし、

それでも足りない分はインナーチューブとボディチューブの間から竹ひご(以降”足”)を生やしてあげればよし。

 

open rocket の設計上は楊枝はノーズコーンを、足はインナーチューブからフィンとして設計しました。

 

「ボディの直径が不連続」とのエラーが出てしまいましたが実用上の問題はないと考え、そのまま進めました。

 

 

軽量化②ボディチューブの軽量化 

 

最初にも述べましたが、
○○屋さんボディチューブがスケスケなんですよね。びっくりこりゃ一桁台も納得
 
私は従来、ケント紙を2重+らせん巻にして製作していました。
先代によると強度が上がるそうです
 
「,,, アレ?高度競技において強度って必要か?
ロケット甲子園みたいに卵積んでヒビを見るわけじゃないんだから大幅に削っても良いのでは?」
 
そう考えた私は
  1. 使用する紙はコピー用紙
  2. 接着部を極限に小さくするためらせん巻ではなくただの筒
この方式でボディチューブを製作することに決めました。
 
 
ちなみにケント紙とコピー用紙の重量は以下の通りでした。

計算してみると重量が-4.2%削減できるっぽいです。

 ,,,なんか、いうほど変わらんですね。

 

しかし今回は接着部も前回より明らかに少ないから大丈夫だろう

と実際に製作してみたものの、頼りなさ過ぎました。

 

写真ないのであれなんですけど唯一の接着部ですら脆かったです。

 


これじゃバックファイアにも耐えられない,,,



そこで細く切ったマスキングテープを等間隔に3本通し、補強。

イメージ的には3か所柱を通すことによって機体の分断は避けられるはず



ちなみに出来上がったものを量ってみると1.2g、

過去の機体がどうやら2.44gらしいのでボディだけでは約50%減に成功したようです。

 

かなり不安とはいえこれは大成果といえるのではないでしょうか。

 

 

設計について 

 

既にopen rocketの設計図を見てくださった方いらっしゃったらお気づきかもしれませんが、
 
この機体
 安定性が0.1を切ってるんですよね。
 
設計当時は安定性なんて気にしてませんでしたからね
今思えば本当に恐ろしい。
 
経験上、安定性で失敗することよりも別の要因で失敗することのほうが多かったですし
単純に勉強不足でしたね,,,
 
本当、安定性って大事
 

 

改装により生じた問題点 

 

もうはっきり覚えていませんが、確かコロナ禍の影響で参加人数がかなり制限されてしまっていたんですよね。
 
全体で15近い人数を抱えているのに対して、参加できるのは確か9名,,,だったかな?
 
しかし、新人にも参加はしてもらいたいということで、
本来、一人二機のところを一人一機制作するという方針になりました。
 
現地に行くことはかなわずとも大会機を作るという経験は得られますからね。
 
しかし、
 
そうすると、誰が滞空競技用を作るかが問題になってきます。
 
高度は純粋に高度を求めれば良い為、よりやりがいがありますが
滞空競技は打ち上げる瞬間の天気に大きく左右されてしまいます。
 
良くも悪くもどうなるかが打ち上げるまで分からないという,,,
正直設計していてあまり気持ちよくありません
 
いざこざするのも嫌なので滞空競技を引き受けたわけですが、やはり高度用で打ち上げたかった
 
 
改装に当たり、まず問題になったのはパラシュートの収納スペースです。
 
やるからには、パラシュートはd=600㎜の物を使うつもりでいましたが
軽量化を突き詰めたあの機体ではどうも入らない,,,
 
そこで
  1. ボディの直径を25㎜から29㎜へ変更。
  2. 先端の楊枝をなくし、その分までボディを長くする
以上の処置をしました。
 
改装といいつつまだインナーチューブくらいしか作っていなかったので
どちらかというと設計変更ですね。
 
2.に関しては今回から楊枝が使用禁止になったこともあり、むしろラッキーでしたね。
 
その時の設計データは残っていませんでしたが、機体重量を軽くしていることもあり
滞空時間はopen rocket内のシュミレーションで50sほど。
収納部もむしろスカスカなくらい余裕があり、展開もさほど難しそうでない
 
心配なのは自分が当日行けないことと、安定性だけ。
 

 

大会結果の解析 

 

公式がアップロードしてる中継映像だと全く映ってなかったので、メンバーの撮影してくれた動画を自分なりに分析。
  1. 打ち上げから0.1秒後にはすでに姿勢がブレ始める
  2. 1.4秒後には回転しながら最高高度(テント二つ分ほど)に到達。緩かったノーズコーンが外れる
  3. 逆噴射するもパラシュートが展開するに十分な高度が足りず、そのまま弾着
 
毎度おなじみのアナウンサーの方には「いいとこなし」とまで言われてしまってました,,,
 
まず、姿勢がブレた点について
  1. ランチラグのつけ直しがあった
  2. 足の空気抵抗が大きかった
  3. 設計不良
受け取ったときにアレ?と思いましたが、ランチラグが外れてしまっていたようです。
参加していない以上、文句は一切言えませんが、瞬着を使わずにマスキングテープで固定した模様
 
さらに回収した機体を見てみると
かさ増しように追加した足がフィンとともに根元からバリッと半壊してました。
何故かは知りませんが当時の私は設計に反して外側から無理やり足をつけた模様。
 
しかし結果を見るに、内側につければよい結果が得られたとも言えませんね。
在庫の関係で太めの竹ひごを使用しましたが、本来はこの半分ほどの太さの物にする予定でした。
 
しかしよく見てみるとかなり焼けてしまっています
浅いとはいえこれはこれでよかったのかもしれませんね。
 
そして何よりも大きいのが設計不良です。
何であろうと安定性は欠いてはいけない、身に染みて実感しました。
 
最後に機体に空いた大穴について、
 
まぁある意味予想はしていましたからね、むしろここまで豪快に開いてくれて嬉しい,,,ような
 
最大で30*70㎜。
片側にしかできていないのはパラシュートの偏りによるものかと思われます。
スカスカでしたからね
 
とはいえ意外と耐えられるんだなと感じてしまった。焼け方から補強ラインも役に立ってくれたと思われる
 
ぼろくそに言われたそうですが
 

 

反省・終わりに 

 

改善点
  • 安定性はしっかり高くしておく
  • 無理な設計変更を行わない
  • 足を生やすなら内側に
  • せこい手を使って長さを稼ごうとしない 急にOUTになる可能性がある
良かった点
  • ケント紙→コピー用紙等の工夫で重量を-50%
  • コピー用紙一枚でも補強ラインさえ設ければ意外と何とかなる(?)
こう並べてみると改善点だらけですが,,,
しかし実験機としては十分だったかとお思います。
 
次回大会は是非、改良版を高度競技用の機体として打ち上げたい,,,
 
 
すべて読んでくれた方はありがとうございます。お疲れ様でした。
なかなかに読みづらかったかと思いますが、逐次改良していきたいと思います。
参考になってくれたら幸いです。
 
#ロケット 作り方 大人