思い出したよ。俺たちが目指していたものを・・・。甲子園なんてものはただの副賞だったんだな

 

~漫画 「タッチ」より~

 

 

 

実家の父の希望で春の選抜高校野球を見に行ったのですが、漫画「タッチ」の中にあったこのセリフを思い出しました。

 

第1試合が明徳義塾高校で、かつて松井秀喜が高校生だった頃、明徳義塾の馬渕監督の指示で

 

松井は5打席連続敬遠され、多くの石川県人はみんな、悔しい思いをして怒っていました。

 

石川県は有名人が少ないので、松井は石川県の英雄でした(笑)

 

なので私たちも今回の明徳義塾の試合を、複雑な思いで見てました(笑)

 

 

 

明徳義塾のピッチャーが調子が悪そうでしたが、どう見ても他は、中央学院より明徳義塾の方が実力は上という感じでした・・・。

 

こんなにピッチャーの調子が悪いのなら、交代させたらいいのにと思っていましたが、交代にはならずに最後まで完投。

 

9回裏、明徳は2点差で負けていて、ツーアウトになり、明徳の応援団はもう完全あきらめムードになっていました。

 

私たちも完全に、中央学院が勝つだろうと思っていました。

 

しかし、ツーアウトからいきなりヒットとホームランが続き、一瞬で明徳義塾のサヨナラ勝ちになりました。

 

 

 

 

私はずっと馬渕監督は、松井5敬遠の時から「勝つためには手段を選ばない」という考えの人かと思っていたのですが、

 

 

最後までピッチャーを交代させなかったことを思うと、月日も経って馬渕監督も勝つことだけにこだわらなくなったのかなととか、思いました。

 

 

 

実は漫画「タッチ」も最後の試合で、敬遠するかしないか・・・みたいなストーリーになるんですよね。

 

 

 

 

 

主人公、達也が最後の甲子園行を目指して、ライバルの須見工と決勝戦でぶつかります。

 

ピッチャーの達也は最後に疲れ果て、延長戦になってもう投げる力も無くなっていきます。

 

最後に須見工の4番打者、新田との対戦で、周りはみんな「あれはもう敬遠するに決まっている」と思っているのに

 

達也は敬遠せず、最後まで正々堂々と勝負をして、ついに新田を打ち取り、優勝します。

 

 

その時、須見工の監督が、つぶやいた言葉「思い出したよ。俺たちが目指していたものを・・・。甲子園なんてものはただの副賞だったんだな」という言葉が私の心にも響きました。

 

須見工の監督も、達也の正々堂々と勝負を続けた姿に、胸を打たれたのでしょう。

 

やっぱり高校野球であるならば、勝つこと、相手を抑えることは大事ではありますが、それ以上に、一回一回、正々堂々と真剣勝負をして欲しいと、すごく思いました。

 

甲子園や、優勝は、その真剣勝負の後にあるもので、やっぱり真剣勝負こそが本物だと思います。