2022年7月 血液検査の結果
血液検査の結果の出る日に合わせて、
再び大学病院の皮膚科を訪れました。
前回の血液検査の結果で、母の血液の中で
様々な異常値が発生していることが明らかになりました。
当時75歳の高齢でしたので、年齢から考えての許容範囲の異常値は もちろんありました。
でも、明らかな異常数値が出ていたのです。
特に明らかな異常があったのは、
血小板、赤血球、ヘモグロビンなどの一連の数値がとても低い。
炎症数値がとても高い。
そして、特にリンパ球の異常値。
リンパ球の異常値が、数字だけで見ても正常値から、はるかに突き抜ける異様な数値であったため、それを見ただけて 私は母の体内で何が起きているのかと恐ろしくなりました。
総じて、皮膚科のドクターの見解では
母の発疹の原因は、アレルギーではなく
血液(おそらく骨髄)に原因があり
正常な血液が作れなくなっているかもしれないということ。
皮膚科ではなく血液内科を受診するようにと言われ、これまでのカルテデータは皮膚科から血液内科への申し送りとなりました。
母は、相変わらず元気でしたので
それまで母も私も軽く考えていたのですが、
やはり靴が履けないほどの脚の浮腫み、
顔相が変わるほどの顔の浮腫み、
紅く膨張し、体のあちこちに拡がる発疹、
何日も続く微熱、
こんな症状は、見たことも聞いたこともありませんでしたので
この血液検査の数値を見て、ただごとではない感じがしました。
母は、診察室から出ても いつも通りのあっけらかんとした母でしたが
その時、並んで歩き始めた私に はっきりとこう言いました。
『ま、お母さん どんな結果が出ても、人生に全く悔いはないから』
私は、『そんな命に関わるようなことじゃないから大丈夫だよ』と、慌てて言い返すのが精一杯でした。
そんな私を見て、母はいつも通り まるで私を励ますようにニッコリと笑って、私を見ていました。
これが、ちょうど2年前の7月の出来事。
私はきっとこの季節になると、
こうして母と一緒に行った大学病院での景色を思い出すのだと思う。
あの蒸し暑い中を、母と繰り返し通った病院への道のり。待合室の光景。そして、あのときの母の言葉と笑顔を。