かけてすぐ、電話を彼はとりました。
もう二度とかけてきて欲しくなかった。
なのに何故かけてきたか、それを聞き出せるとは思えませんでしたが一応用件だけ聞こうと電話をしました。
「もしもし、なに?」
『おぉー、お前元気ぃ?あ、悪い悪い。お前の部屋に俺パソコン置きっぱなしになってない?こないだお前を部屋まで運んだ時…』
私はこの陽気な声にウンザリした。どの面さげて元気?だなんて言ってんの。
酔ってるの?頭おかしいの?
「置き忘れてないよ、あれから掃除して何もないし。じゃぁね」
それだけ伝えて急いで電話をきった。
パソコンの部品だとママからきいていた。
彼は電話でパソコンがない、お前の部屋にないか?って言った。
あるわけがない。
時間も経つことなくすぐ手のなかの携帯が鳴った。
「だから、何?!」
『あ、俺の勘違いぽい。俺の部屋にパソコンがあるかもしれん。』
何がしたいのか全く分かんなかった。
何言ってんのこのヒト。
「俺の部屋にあるぽい?あなた今どこいるのよ」
私は爆発しそうなものをぐっと鎮め、冷静を装いきいた。
『あ…まぁ、俺の部屋じゃ…ないとこ』
「あっ、そう。分かった。じゃあね」
一方的に電話をきった。
彼女さんの家にでもいるのだろう。
勝手にやってなさいよ。
顔もみたくない。声もききたくない。
これ以上苦しめないで。
数日前のあのときを思い出す。
あのとき言われたコト。
「彼女も大切だけど、お前も大切なんだ。お前はもっとかけがえのない大切な人なんだ」
私は抵抗して嫌がってたのに無理やりキスをされた。
腕に残った痣と、胸の痛みがあの日を鮮明に呼び起こす。
一番惨めだった。
腕の痣がまだ痛んでる。