こんにちは。
2週間のご無沙汰になってしまいました。
年末ライブ開催などでバタバタしておりましたが無事に一段落いたしました。
ほんとうに1年間があっという間に過ぎて行きますね。
ということで、
今日は「ほんの少しのことで声が出しやすくなる」というお話をしましょう。
人が何か動作をするときは膝を軽く曲げて身体のバランスをとりますね。
おそらくすべてのスポーツは膝を軽く緩めたポーズが基本になると思います。
声を出す時も同じように「膝をリラックスさせて」つまり膝を緩めてポージングするように指導する書籍を見かけますが、横隔膜のサポート&コンプレッションを習得するには膝を曲げてはいけません。
膝を緩めることで上体のバランスをとってしまうと、いつまでたっても効率的な発声に必要な正しい「お腹に力を入れる感覚」を理解することは出来ません。
膝を曲げずに軽くお辞儀をするように上体を前に倒してみましょう。
腹筋と背筋で傾いた上体を支えているので自然とお腹に力が入ります。
この感覚が横隔膜のサポート&コンプレッションを修得する入口になります。
今度は膝を軽く曲げて同じように上体を前に倒してみましょう。
腹筋と背筋には先ほどのような緊張感はありませんね。
この状態で「お腹に力を入れて」と言われたら発声には有効でない腹筋の収縮を行うことになってしまいます。
それでは声を出してみましょう。
身体を動かさずにアーと発声してみます。
それに対して、今度は今お話したように膝を曲げずに軽く上体を前傾させながらアーと発声してください。
明らかに声が出しやすくなりますね。
その理由は、前傾する上体を支えるために腹筋と背筋が収縮します。
それにより横隔膜のサポート&コンプレッションが行われ、声帯が効率よく振動するので声が出しやすいのです。
この声は喉声ではない「お腹から出す声」になっています。
もし、お腹に力を入れて歌うと1曲でクタクタになる、という状態だとしたら、あなたの力の入れ方は間違っています。
正しい横隔膜のサポート&コンプレッションは自然な動作なので、お腹に力を入れる感覚を修得すると歌っても歌っても疲れなくなります。
以下、キリガヤ・メソッド 関連 ボイトレTips
みなさんは立って歌うときに体重のかけ方を意識していますか?
何となく立っていると膝が少しゆるみ、体重が踵寄りになっていることがありませんか?
この踵寄りに体重がかかる状態では横隔膜のサポートが甘くなってしまいます。
サポートが甘くなると声帯をコントロールするために直接喉に力を入れることになります。
喉に力がかかっていると顎を突き出すようなポーズになりますが、喉に力を入れて締めつけて発声すれば当然喉声になってしまいます。
それでは喉声にならないようにするために立って歌う時の体重のかけ方をお教えしましょう。
その方法はとてもシンプル。
踵よりもほんの少しつま先側に体重がかかるように立つだけです。
コツは膝を曲げずに上半身のリラックスをキープしながら、体重をほんの少し前方に持っていく感じです。
これだけで腹筋と背筋に緊張が生まれますね。
この腹筋&背筋の緊張が横隔膜をサポートするのです。
立ち方を意識するだけで驚くほど声の安定が得られます。
ぜひ試してみてください。
但し、やりすぎは禁物です。
声をアテるときの横隔膜の動作を邪魔するという弊害をもたらしますので!
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