2月25日
移植前処置が遂に始まりました。
初めての抗ガン剤投与。
25日から5日間、毎日1回フルダラという抗ガン剤を投与。
3日間目からはフルダラに+アルケランという、フルダラよりも強く粘膜障害の出やすい抗ガン剤を3日間投与。
この5日間で、
にっちゃんの造血幹機能を破壊します。
朝10時スタート。
母もそれよりも早くに来て、
一緒に見守ってくれていました。
先生の計画で
通常はBCR(無菌室)に入って前処置をするのですが、にっちゃんはまだ赤ちゃんだし嘔吐がある子。BCRは4部屋につき看護師さん2名が付きます。先生的には、BCRだからと言って目が行き届くかというと、そうでない事もあり、他の子よりも体にチューブも多いにっちゃんは部屋でやった方が安全だという配慮からでした。
一応病棟自体が無菌病棟なので問題は無いです。という事でした。
10時になると看護師さんが2人来てダブルチェックをして、ガウンを着て目元には曝露防止のメガネにゴム手袋で投与されます。
抗ガン剤を投与するのに
こんなにもガードをしないといけない程の
強い薬を入れるのかと…やっぱり少し怖かったです。
「…変わりたい」
こう思う気持ちは消えません。
私も母も
この初日は泣きながら抗ガン剤が投与されるのを見てました。
辛かった。
ただ、にっちゃんはというと
何故かフルダラが体に入ると数分で寝始めました
初日はたまたま寝たから良かった〜と思っていましたが。
結果的に5日間、フルダラの投与中はぐっすり寝てました
きっと凄く体に強い怠さのような物が
きたんだと思います。
カテにお薬を繋いだら私は少しでも安心させたくて毎回ずっと抱っこをしていました。
すると、泣く事もなくスッと寝ます。
母とも
「にっちゃん…何なんやろう…凄いな…」
と投与中にだけ睡魔に襲われる
にっちゃんを不思議に思っていました
そして3日目。
アルケランの投与。
アルケランを投与する時に粘膜障害を防ぐ為に「クライオセラピー」というのをします。
クライオセラピーとは、アルケランを投与する30分前から投与中、投与後30分間、
ずっと耳下腺を冷やし続けます。
およそ3時間。
小さな子はアイスクリームを食べ続けたり、
氷を口に含んだりします。
お友達のMちゃんはアイスクリームを4つ食べました。
(当時これは2月でした…もうお腹を壊すんじゃないかと私もMちゃんが心配でした)
かなり過酷な事をしなければ、粘膜障害が出ます。
にっちゃんはこれからの事が出来ないので、ほっぺを外側から冷やすという方法を取りました。
赤ちゃんでまだほっぺが薄いので、ケーキに付いてくる保冷剤を使って。
私が3時間ずっと抱っこをしながら、にっちゃんのほっぺを冷やしてました。
そしてまだ2月。
両頬を保冷剤を冷やし続けるという拷問
いや、これをしなければ粘膜障害が…
だけど、またしても。
にっちゃんはこのクライオセラピーの間も3日間、3時間ぐっすり寝ました
(添付の写真がクライオセラピー中です)
キンキンに冷えた保冷剤をほっぺにくっつけるので泣くかと思いきや、
唇が紫になっても寝続けてくれました。
保冷剤が溶けたら新しい物に交換です。
交換する瞬間に少し泣いたらまた寝ます。
ほっぺを冷やすので
体にはバスタオルを巻いてあげて、
体を温めてほっぺだけを冷やしていると気持ち良かったのか、よく寝てくれました。
なので結局、
前処置の抗ガン剤投与中はフルダラもアルケランの最中も寝てましたので、
しんどくなる事も、嘔吐や高熱などの副作用も出ませんでした
初日だけ夜中に1時間ぐらい、寝ようとすると体がビクッとする付随反射のようなものがでましたが、孔脳症も持っているのでてんかんに繋がらなければ様子見で大丈夫な程度でした。
こうして5日間の前処置は順調にクリアしました。
月曜日から金曜日の5日間。
土日は休薬日。
週明けの月曜日にいよいよ臍帯血移植。
そして私は土曜日に
お兄ちゃんの最後の参観日があるので、
金曜日の夜18時半に病院を出て
高速バスで自宅に戻りました。
自宅に着くのは22時半。
翌日土曜日の朝8時半にお兄ちゃんを幼稚園に連れて行って参観。
日曜日の朝にはまた高速バスで病院に戻るというスケジュールでした
前処置を終えたにっちゃんの事が
本当に心配でした。
どうにかこのまま音更なく日曜日に私が戻るまで…穏便に…と祈る思いでした。
お兄ちゃんの参観は
3年間学んだお作法の参観でした。
モウセンを敷いた上に保護者が正座でスタンバイしていると、我が子がお茶とお菓子を運んで来てくれます(笑)
食べた後も取りに来てくれて
「お粗末様でした」と言って下がっていきます。
こぼさないように、慎重に歩いてくる姿や丁寧にやろうと頑張る姿がたまらなく可愛かったです。
(家でなんてこれ以降する事は無いだろうな…そんなお上品な家庭ではないし…と心の中では思ってました)
成長を感じた参観日でした。
翌日は急いでバスに乗り込み病院に戻りました。
お部屋に着くと、いつも沐浴室でお風呂なのにベッド脇にベビーバスを持ってきて
色んな管が絡まりながら看護師さんがお風呂に入れてました。
お風呂は毎日私が入れているので、途中で変わったんですがルートがめちゃくちゃ。
ベッド脇なんで狭い…。
「何で今日ここなん?」
と聞くと
「にっちゃんは管が多いので、移動すると点滴スタンドも運ばないと行けないし管が抜けたら危ないと思って…」
と言われて
「そうなん?…でもここ狭いからさ…点滴スタンドは2人おったら運べるやん?ここ大丈夫?」
と、とてもやりにくいし、
ルートもぐちゃぐちゃだしで
本当に大丈夫か?と気になりました。
そんなイレギュラーな事
今日せんでも…前処置中やで…と
心の中で思ってました。
すると、やはり事件勃発。
十二指腸に入れてる鼻チューブ。
24時間栄養を注入してますが、普段はお風呂の時間だけ中断させます。
お風呂が終わるとまた繋ぎます。
それをそのまま注入したままお風呂に入れてました。そしてルートと絡まり20センチ程抜けていました。
胃には栄養を入れないという計画だったのに数時間胃に栄養が入ってました。
更に抜けたチューブも入れ直しです。
月曜日は移植当日。
前日にとんだトラブル勃発でした…。