姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い③
⬛️姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い③
2022/10/6付当毒ブログ「姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い②」
のつづきである。
リスクマネジメントについて(記者会見)
会社もしくは学校等で起こりうるリスク(“危険性”や“危険度、まだ起きていない(潜在的な)問題“被害の影響 の大きさ”や“被害が発生する可能性(確率)”、あるいは“影響の大きさと可能性(確 率)の組合わせ”)を起こさない事をリスクマネジメントと言うが、今回は、そのリスクが起きてしまった場合における対処法(記者会見)について、焦点を当ててみたい。
リスクとは、その「事象」が起きるまでは潜在する危険性であるが「事象」が起きると「問題」へと変化する。
「問題」へと変化した場合にも必要なのが「リスクマネジメント」であり、記者会見の場面では以下の内容が求められる。
危機発生の最中に絶対やってはいけない10のポイント
企業リスク研究所 白木大五郎氏の「企業不祥事発生時の対応と記者会見での留意点~ リスクマネジメント・マスコミ対応の心得~」より抜粋
1.安易に責任を他に転嫁しない。
2.問題の原因については、安易に自己に有利な様な推測をしない。
3.自己保身、自己弁護と受け止められる様なメッセージを出さない。
4.当方に有利なような答えをでっち上げない。
5.メデイアに責任がある様な言い方をしない。
6.損害を最小に食い止める事を最優先しない。
7.偽って誠実なふりをしない。
8.政府や捜査当局の調査の邪魔や、証拠の隠滅を図らない。
9.巻き込まれるかも知れない人を勝手に非難しない。
10.組織の利害関係を最優先にしない。
記者会見における基本3原則
1.記者会見は、基本的には、トップ自らが対応する。(誠心誠意の姿勢)
2.記者会見で、言える事と、言えない事をきちんと整理しておく。(混乱防止)
3.記者会見中の取材拒否、ノーコメント乱発、嘘、憶測発言はしない。(マスコミ対応の厳禁事項)
マスコミ対応の心得十か条
第一条:「記者会見は、企業の対応方針や、考え方を直接、消費者やお客様に伝える為の絶好の機会として捉えて、トップ自らが、正確な事実を理解・認識した上で、積極的に対応する」
第二条:「正直・迅速な対応を基本に、責任回避と受け止められる様な発言や、安易な憶測発言は厳に慎む」
第三条:「事故や不祥事発生に対しては、真心のこもった遺憾の言葉や、お詫びの言葉を表明する」
第四条:「事件発生の経緯や原因調査結果の最新情報については、判明次第、逐次、正直に公表する」
第五条:「被害者や遺族などへの対応や補償については、誠心誠意の姿勢で当たる事を表明する」
第六条:「責任問題については、事実の解明と、調査結果に基づき適切に対処する事を表明する」
第七条:「問題解決・再発防止に向けての企業としての具体的方針や現在進行中の取り組みについて、マスコミを通じ、積極的にPRして企業努力に対する理解を求める」
第八条:「マスコミや被害者からの質問・意見・要望については、誠意を以て極力、迅速に対応する」
第九条:「記者会見での記者からの質問に対しては、常に真摯な態度、誠実な姿勢での対応に心がける」
第十条:「記者会見での記者からの質問に対しては、常に真摯な態度、誠実な姿勢での対応に心がける」
記者会見での一般的な注意事項
1.記者会見を無事に終わらせる事を第一に、質疑応答等で感情的にならずに、常に正直で誠実な態度を心掛ける。
2.記者会見で公表する事実関係については、必要に応じて、事前にシナリオを作成し、会見場での出席者間の事実関係の認識に齟齬が発生しないようにしておく。
3.記者会見におけるメインスピーカーは極力一人に絞り、他の者は、特に、質問受けた場合以外は積極的に発言しない。
4.記者からの質問で、明らかに事実と違っている場合で、当方への影響が大きいものについては、看過せず「一言補足説明をさせて頂く」と断った上で、ポイントを簡潔に述べる。
5.記者会見で責任転嫁や自己弁護のみの印象を持たれるような発言は避け、安易な期待や根拠のない憶測発言は厳に慎む。
6.記者会見会場には、カメラで映されたり、その資料を頂きたいと要求される恐れがある為、Q&Aの資料は持ち込まない。
7.基本的には一問一答を原則に、発言内容は、極力、シンプルに事実のみを述べる。
8.記者からの再三の突込み質問に対しては、Q&Aに則り、再度簡潔に繰返し説明する。
9.記者からの挑発的な質問や、ひっかけ質問、特殊な専門的質問に注意する。特に仮定の質問や、企業秘密に関わる質問、セキュリテイに関わる質問には十分注意する。
10.記者会見での応答では、言葉は丁寧に、服装は地味に、表情も冷静に、誠実な態度で、記者の方をきちんと見ながら答える。
解説については次回「姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い④」にて。
つづく