
2022-05-31 19:41:17
ブラック看護学校でのパワハラ横行は、看護師の質低下を招くのではないのか?
テーマ:社会⬛️ブラック看護学校でのパワハラ横行は、看護師の質低下を招くのではないのか?
パワハラと虐めは、世の中から無くならない様だ。
現実問題として「自殺者」すら、出している。
「自殺者」を出した学校関係者は、死ぬ程の苦しみを与えたのであるからして、それに準じた「処罰」を受けて然るべきでは無いのか?
2019年9月、下宿先のアパートで男子学生が「自殺」しているのが発見された。
自殺した学生の母親は、
「返して貰えるなら返して欲しい」
そう語る。
原因は、北海道江差町にある道立江差高等看護学院の教師が関与する学生へのパワーハラスメントによるものだ。
道立江差高等看護学院
遺族が道に対して調査を申し入れたが、北海道の鈴木知事の発言は、
「事案の重大性に鑑みまして、他の事案の調査を進める中で、可能な範囲で聞き取りを行った結果、関係教職員や学生から、確信的な心証がなく、このハラスメントは確認をされてない」
という冷たいもの。
その学院に2020年に入学したのは19人。しかし、退学や留年、休学が相次ぎ進級できたのは9人だけだった。
それこそが、教師による生徒に対するパワハラ行為が行われた事を物語る。
被害を受けた学生は、
「あなたみたいなのは看護師にならない方がいいって学校やめた方がいいんじゃないのっていう風に言われて」
「指導中に先生が持っているペンでぶっ刺すぞだったり実習中にあなたはガキンチョですかとか自分にとって結構ショックな言葉を沢山」
と話す。
どうも、2019年に書いた当ブログ「神戸教員いじめは、どこにでも転がっている話という事実」
と、場所や立場は違えども似ている様にしか見えないのだ。
「神戸教員いじめは、どこにでも転がっている話という事実」は、「女帝」と呼ばれた長谷川雅代を中心に、その手下である柴田祐介や蔀俊(しとみたかし)や佐志田英和が教員いじめに関与した。
道立江差高等看護学院の場合、副学院長である品川由美子(62)(停職6ヵ月の懲戒処分、依願退職)を中心に、翻意にしている教師がパワハラに関与している。
品川由美子(62)副学院長
実際、パワハラの訴えは紋別高等看護学院でも上がり、第三者調査委員会は江差と紋別で53件のパワハラを認定。関わった教師は11人に上ったとされる。
適度な緊張感は、医療現場では必要であるが過度なストレスによる緊張感は、医療事故を招きかねない。
パワハラの根幹は、自己の正当化でしかなく、厳しく指導する事と「行き過ぎた厳しい指導」の境界線が分からなくなる事でしかない。
教師の「行き過ぎた厳しい指導」は「犯罪行為」であるという認識がない事は、社会不適合者であるのだ。
また、パワハラの蔓延する学校を卒業し、看護師となった学生たちが「心の病」を患っているとしても想像に難く無い。
指導者、教師たちは、そんな彼らの人生を最後まで責任を持たなくてはならない。
⬛️看護学校でパワハラ横行、退学者続出 背景に医療現場の体育会系気質と教員不足
人材大手・パーソルの試算によると、2030年には、「医療・福祉」分野で約187万人の人手不足が発生するという。その未来を回避する為にも、今からの人材育成は急務だ。ところが当の教育現場には、夢を持って看護の道に進もうとした人の心をへし折るパワーハラスメントが広がっている。
超高齢化が進む日本では、医療従事者の人手不足は、今後、より一層深刻になると考えられている。加えて、この2年間のコロナ禍は、日本の医療体制の脆弱さに光を当てる事になった。
コロナで医療崩壊が叫ばれる様になってからは、現場の人手不足を解消する為、資格を持ちながらも現職の看護師として働いていない「潜在看護師」を、現場に呼び戻そうとする動きもある。それでも、労働環境の厳しさから離職率が高いのが現状。医師や看護師、准看護師や介護士といった医療従事者の育成・確保は急務。しかし、その育成現場には悲惨な状況が広がっている──。
《1年生38人のうち15人自主退学、パワハラ原因か》
朝日新聞が3月4日、千葉県にある「木更津看護学院」での生徒の大量退学を報じた。そこは准看護師を育てる2年制の学校。記事によると、教員が「馬鹿に教える事はない」と生徒の提出資料を床に投げつけたり「髪形が似合っていない」「体重は何kgか」と容姿をからかう発言があったという。また、教員に質問した際に「面倒臭い」と回答を拒否されたとも報じられた。
それから3週間後の3月29日、今度は北海道で、道内の看護系学校で起きていたパワハラ問題について、教員10人が懲戒処分を受けた。「江差高等看護学院」と「紋別高等看護学院」で認定されたパワハラは、50件以上に上る。
「ペンでぶっ刺すぞ」
「暴行をしたくなる」
「お前みたいなバカは死ね」
教育機関とは思えない暴言が、日常的に飛び交っていたという。パワハラに耐え切れず自殺未遂した生徒や、退学によって医療の道を絶たれた生徒もいる。
「報じられたのは氷山の一角。全国の他の看護学校でも、こうしたハラスメントがまかり通っている」
そう話すのは、北関東にある、ある看護学校「A」の関係者。Aは「准看護師」の育成を担う。准看護師は、医師や看護師の指示の下、病院やクリニックで診療補助を担う医療従事者。介護施設等でも就業できるとあり、近年、活躍の幅は広がる人気の職種。
看護師資格を得る為には、3年制の学校に通い、看護師国家試験にパスしなければならない。一方、准看護師になる為の学校は2年制で、かつ都道府県知事より与えられる資格である分、取得が容易だとされる。先の関係者が続ける。
「今年3月に卒業した学年は、約30人が入学したが、半数以上が途中退学するという異常な事が起きている。しかも、今年はまともな卒業式さえ行われ無かった。昨年秋に生徒の1人が新型コロナに感染した事を以って、“裏切り者”が出たから、式をやらないという。当日は僅か15分程で、卒業の書類を渡すだけの簡素なものだった」
木更津の学校に匹敵する程の大量退学が、Aでも起きていた。
「この4月に2年生になった学年も、約40人の入学に対し、すでに15人以上が退学している」(前出・関係者)
厚生労働省がまとめた最新(2020年)の「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」によると、准看護師学校の卒業者数は、入学時の約83%。つまり「退学率」は20%に満たない。Aの退学率が、異様な程高い事が分かる。
能力の低い教員が教育現場に送り込まれる
Aでの大量退学の理由には、中心的存在の教員によるハラスメントがあるという。
「そもそも授業内容に問題がある」
そう指摘するのは、別の学校関係者。
「1コマ90分の内、雑談に費やす時間が長い。いざ授業となっても、教科書を読ませるばかりで、ホワイトボードを使う事もない。気にくわない事があると、先生が“授業放棄”して出て行ってしまう事もあると聞く」(別の学校関係者)
「学校」とは到底呼べない様な授業でありながら、生徒への要求は高い。
「テストの点数が悪い生徒に対してはクラス全員の前で強い言葉を浴びせたり、長時間廊下に立たせるといった事も日常茶飯事。挙げ句の果てに“全員バカばっかり。レベルが低すぎて話にならない”と吐き捨てる様に言った事もあったという。
また、『反省文』を書かせる事もある。昨年コロナ感染した生徒は、長文の反省文を、“罰”として科されていた。どんなに気をつけていても感染してしまう状況ですし、罪はない筈だが……」(前出・別の学校関係者)
耳を覆いたくなる様な発言もあった。
「そもそも、生徒の事を“あんた”呼ばわり。授業の合間等に、その場にいない生徒を名指しして、“あの子はサイコパス”“ADHDだから”と言う。恰幅がいい生徒に対して“太ってる奴は信用できない”と言った事もあった」(前出・別の学校関係者)
日本医師会の調査によると、准看護師課程入学者の最終学歴は、高校新卒が3割程度なのに対し、高校既卒が約5割を占める。一度別の仕事等に就き、セカンドキャリアとして入学する人も少なくない。Aにも、30代や40代の生徒が複数在籍している。
「様々な事情を抱えて入学する生徒もいる。手に職をつけようと入学した生徒に対しても、“年をとった新人が一番使いものにならない”と言い切る。
他にも、学校内で携帯・スマホは使用禁止で、朝授業が始まる前に回収。生徒同士の連絡先交換やLINEは禁止、女生徒はスカート禁止という常識では考えられないルールも課される。しかも問題行動を起こしていないかを確認する為なのか、教室には監視カメラが設置されている」(前出・別の学校関係者)
何故「白衣の学生」が続々と辞めざるを得ない様なハラスメントが横行するのか。『ルポ 保育崩壊』等の著書を持つジャーナリストの小林美希氏が解説。
「1つは、医療現場の体育会系な気質がある。間違いやミスが許されない現場である分、指導が厳しくなりがち。それ自体は間違った事ではないが、パワハラの領域に踏み込んでいても、患者の命を守る為に厳しくしているんだと理由づけする事で、自己の中で正当化されやすい。看護学校の教員は自身が経験した現場の雰囲気を、まだ医療の道に入った訳でもない生徒がいる教室に持ち込む。
加えて、医療従事者のニーズが増えた事で、近年大学等の養成校が増加。しかし教員が足りていない。その為、能力の低い教員が教育現場に送り込まれる事になり、授業の質が低下したり、ハラスメントが起きる」
実態を問うべくAに質問状を送ったが「回答できない」と言うのみ。看護師や准看護師といった医療従事者は、社会において必要不可欠な「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる。その教育現場でハラスメントが横行している事は、長い目で見た時に、日本その物が崩壊する事に繋がりかねない。
※女性セブン2022年4月28日号