青酸カリは、最強の毒薬か? | ヤサグレもんの戯言

青酸カリは、最強の毒薬か?

⬛️青酸カリとは


   シアン化カリウム(シアンかカリウム)、青酸カリウム(せいさんカリウム)は、青酸カリ(せいさんカリ)、青化カリ(せいかカリ)とも呼ばれ、毒物の代名詞的存在だが、工業的に重要な無機化合物である。毒物及び劇物指定令で「シアン化合物」として毒物に指定されている。

⬛️青酸カリの味

   ドラマなどでは青っぽい粉で表現される事があるが、実際は面白みのない白い粉であり、味はアルミホイルと甘味のない杏仁豆腐を口にいれたようなもの。とても、味わえるものではない。アルミホイルと杏仁豆腐を口に入れて噛んでみよう!青酸カリの疑似体験ができる。

⬛️何故、青酸カリ殺人事件は嘘なのか?

   青酸カリとは、従来から変化しやすい「化合物」であるのだ。

   非常に致死性の高い猛毒と言われているが、反応性の高いガスでもあり、しばらくすると空気中のアンモニアやその他有機物なんかと反応して毒性を失う。

   青酸カリによる致死量は5mg/kg。

    体重が60Kgの成人男性なら5mg×60kgで300mgとなる。

    また数字は、LD50(半数致死量)というもので、10人中5人は死ぬかも......という数値であり、つまり死亡率は50%。この数値はラットによる実験上のあたいであり、100%の確殺となると10倍の量が必要であるのだ。

   アガサ・クリスティのミステリーの中で、ラジオの中に封印された青酸ガスが、音楽のハイライトで共振して割れ、青酸ガスが部屋に充満して死ぬというトリックが出てくる。

   しかし、人を殺すくらいの分量は小さなアンプルに1気圧で封印できる程度の少量では無理で、青酸ガスの致死濃度である300ppm(部屋の空気に0.03%混合しなくてはいけない)に達する為には、仮に6畳くらいの部屋を想定しても十数グラムの液化ガスを封入が必要である。

    その為、ラジオの中に搭載するのは、相当な技術と金がかかる。

   毒殺犯が、紙に包んだ青酸カリを隠し持ってサラサラと入れているシーンが、ミステリーに登場するが、紙包みで毒殺のチャンスを伺いずっと携帯すれば、入れる頃には空気中の二酸化炭素を吸収して反応、無毒な炭酸カリウムへとどんどん変化する為、難しい。

   まして、使用する時点で有毒かどうか?確かめる事もできないのである。