綺麗になるには 歯も綺麗 今日はホワイトニングです。


初対面の人に会った時、出会いの第一印象は6秒で決まると言われています。


その短い時間に自分を一番アピールできるのは笑顔です。そのとき、口元から真っ白い歯がのぞいていれば、それは最高の笑顔です


白い歯の口元は笑顔のアクセントだけでなく、その人の印象までも決めてしまうのです。


その歯を白くする治療をホワイトニングと言います。


歯科医院で歯の表面を研磨していた昔とは違い、ホワイトニングとは歯を削らずに漂白(ブリーチング)することで歯を白くする技術の事です。


2001年には、アメリカでもっとも使われているホーム・ホワイトニング剤が厚生労働省の認可を得て日本でも発売されました。


誰もが気軽に自宅でホワイトニングを試すことができるようになり、これを機に日本におけるホワイトニングの認知度は急激にあがりました。


ホワイトニングの治療を行うのは、20 代から30 代の女性が主体です。


ただ、最近は男性のビジネスマンも増えています。週刊誌などで、「白い歯はいい男の武器」のような特集が組まれたりしています。


とくにサービス業や接待業を仕事にしている人は、笑顔での接客が基本ですから、男性も白い歯を意識しはじめたのでしょう。


歯の構造は、一番外側、目に見える部分の「エナメル質」とその下の「象牙質」、さらにその中の「歯髄」で作られています。エナメル質は透明な乳白色、象牙質は薄い黄色がかった茶色、歯髄は血液が通う
赤い色をしています。


この三つの色が混ざり合った色が、歯の色として見えているのです。子供の頃には白くてきれいな歯が、大人になるにつれ黄色く変色してしまうのは、多くが黄ばみやくすみです。原因は加齢によるところが大きいのですが、大きく分けて歯の表面からの外因性の変色と、歯の内部からの内因性の変色に分けることが出来ます。
内因性には加齢による変色も含まれ、誰もが避けられない変色です。


その他、内因性の変色には、虫歯の治療や事故による歯の損傷で歯の神経が死んでしまった場合などがあげられます。外因性はコーヒーやお茶などの食べ物や、タバコなどの嗜好品からの着色が主な原因とな
っています。


これら歯の変色の予防には、着色の原因となるタバコやコーヒーなどを控え、正しい歯磨きを続けて汚れをとり、歯肉も丈夫にすることが大切です。しかし、嗜好品を簡単に止められるものではありませんし、毎食後に歯磨きをするのも大変なことです。つまり予防には限界があるのです。


様々な原因が重なり歯は変色するわけですが、その状況やあなたの希望に応じて、歯を白くきれいにする方法はたくさんあります。そして、確実に効果を発揮するはずです。


ホワイトニングには大きく分けて3つの方法があります。


① 歯科医院で行う「オフィス・ホワイトニング」


② 歯科医師の指導のもと自宅で行う「ホーム・ホワイトニング」


③ ①と②を組み合わせた「デュアル・ホワイトニング」


ホワイトニングで歯の漂白に用いる薬剤には「過酸化水素」、または「過酸化尿素」のいずれかが含まれています。これが歯の漂白剤となり、両方を併用することもあります。過酸化尿素は口の中で過酸化水素に分解されます。


過酸化水素は一定の温度になると水と酸素に分解され、その際に活性化した酸素が発生します。これがエナメル質に染み込んだ色素と結びつき、着色物を酸化・分解してエナメル質の色素を脱色するのです。この過酸化水素の濃度と時間で、高濃度・短時間のオフィス・ホワイトニングと、低濃度・長時間のホーム・ホワイトニングに分けられています。


オフィス・ホワイトニングは歯科医院内で集中してホワイトニングを行います。高濃度の過酸化水素を歯に塗り、照射器などで光を与えて、スピーディに白く漂白します。自宅でホワイトニングをやる時間がない場合や、早く白くしたい場合に適しています。メリットは歯科医師のきちんとした管理のもと行えるということです。オフィス・ホ
ワイトニングの料金は、1歯一万円からです。


ホーム・ホワイトニングは自宅で時間をかけて漂白を行います。診断と治療の準備は歯科医院で行いますが、あとは自分で行う患者主導型のホワイトニングです。低濃度の過酸化水素を主成分とした薬剤を、歯型をとって作った自分専用のマウスピース状のカスタムトレーに入れて、歯に装着して白くします。自分でも効果が見えて楽しみながらできるので、こちらを選ぶ人が多く、大体80%がホーム・ホワイトニングを選びます。値段的にもオフィス・ホワイトニングよりも安く、1顎(上下別)で4万8000円からです。


デュアル・ホワイトニングはホームとオフィス兼用のホワイトニングです。先にオフィスである程度白くし、残りはホームで行い、両方のいい所を取った方法です。料金はオフィスとホームのどちらかを、その治療によって適用します。この他にも、「パワー・ホワイトニング」や「レーザー・ホワイトニング」、日本の歯科医が日本人向けに開発した「FAP ホワイトニング」など、日本でも色々なホワイトニング治療法が登場してきています。


一口に歯を白くするといっても、歯の白さにもいろいろな種類があります。アメリカ人はカリフォルニア・ホワイトといって、とにかく明るい、明度の高い白を好みます。日本でも、真っ白にしてほしいと希望される人がいますが、日本人は肌の色が違いますから、ほんの少しクリームがかったアイボリー・ホワイトがいちばん合うようです。これは、あらかじめ「シェード・ガイド」と呼ばれる色見本や測色計で計測して、その人に合った白を選びます。これは、どのホワイトニングでも同じです。


ホワイトニングを行う前に知っておかなければならないのが、「ホワイトニングは健康な歯が対象」ということです。虫歯や歯周病があれば、そちらの治療が先になります。また、差し歯や人工歯、詰め物、金属によって変色してしまった歯にはホワイトニングはできません。まずは歯科医院で検査を受けましょう。ホワイトニングの治療を受けられる歯科医院は、インターネットで「審美歯科」や「ホワイトニング」で検索すれば、たくさん出てきま
す。さらにその中で目安となるのが、「日本審美歯科学会」、もしくは「日本歯科漂白研究会」の会員かどうかです。インターネットがない場合は、まずは行きつけの歯科医院でホワイトニングを行っているか
聞いてみるのもいいでしょう。


ホワイトニングは歯を削ることではないので、治療の痛みはありません。麻酔もかけません。ただし、薬剤がしみて知覚過敏を起こす人もいます。出現率は15~20%と、5人に一人です。そのような症状がでたら、治療の感覚をあける、フッ化物などを塗るなどの対策があります。


健全な歯へのダメージも心配な所ですが、エナメル質は96~98%が無機質から構成されています。ホワイトニングに使用する過酸化水素は有機性着色物のみに作用します。そのため、健全な歯へのダメージ
は非常に少ないと考えられています。人体への影響については、ほとんどありません。しかし、濃度の高い過酸化水素を使用するオフィス・ホワイトニングでは、よく換気をし、口腔外バキュームを使用しなが
ら治療すると、より安全でしょう。


ホワイトニングにかかる時間、回数は、オフィス・ホワイトニングであれば、通常1回で白くすることができますが、1時間前後の時間を要します。ホーム・ホワイトニングは1回のカスタムトレー接着時
間が2時間前後、効果が現れるまでには2~4週間の期間が必要です。


虫歯や歯周病の治療だけでなく、健康な歯であっても、そこに白さや形など、ホワイトニングなどのプラスアルファのケアを行う「審美歯科」という言葉が日本でも定着してきました。歯を美しくする治療を「審美歯科」と呼んだのは1960年代のアメリカが始まりです。


「形態、色調、機能の調和をはかり、人々の幸福に貢献する歯科医学」と定義する審美歯科は、いまや世界的な現象です。審美歯科で行う歯の美白治療にはたくさんの方法があります。


① クリーニング 歯の表面にこびりついた汚れ、ヤニ、ステインを落とす。


② PMTC プロの手による徹底クリーニング。歯本来の白さを取り戻す。


③ マニキュア マニキュア剤を塗って白くマスキングする、いちばん手軽な方法。


④ ホワイトニング 「歯の美白」の代表格。ブリーチングで歯を白くする技術。


⑤ ダイレクト・レジンベニア 重度の変色にも対応。プラスチックを薄く塗り重ねて白くする方法。


⑥ ラミネートベニア 極薄のセラミックを貼り付けて、歯の形まで修復しながら白くする。


⑦ ジャケットクラウン セラミック製のクラウン(冠)を歯にすっぽりかぶせる方法。


⑧ メタルボンド 金属で補強したセラミックで白さを実現。


⑨ ハイブリッド・セラミックス・インレー 金属の詰め物を白い詰め物に交換する。


①~④のホワイトニングまでが、歯を削ることもなく、麻酔もかけずに、痛みもなく歯を白くする方法です。⑤以降は治療となり、歯を削ってつめたり、貼ったり、かぶせることによって白くし、それだけでなく歯の形も整えていきます。歯にきちんと噛めるという機能だけを求める時代は終わりました。よく噛めるうえに、白く、歯並びのいい歯を目ざすのが審美歯科です。さらに、大きな仕事が、いい笑顔を提供するということなのです。


ホワイトニングは処置後のメンテナンスをきちんと行えば、2~3年は白さがキープできます。着色の強い飲食物の摂取量、ブラッシングの仕方により長持ちの期間が変わってきます。そのためにも、定期的にクリーニングやPMTC を行い、年に一度くらいタッチアップ(追加漂白)をするなど、細かいケアが必要です。くわえて、毎日のブラッシングがとても重要です。白さの維持だけでなく、虫歯、歯周病を防いで、歯そのものの健康を維持できます。


ホワイトニングはただ歯が白くなるだけではありません。歯が白くきれいになれば、それを維持するために食事や嗜好品、ブラッシングに歯磨き材、エチケットグッズなどと、予防への意識も高まります。そして結果的に、アンチエイジング(抗加齢)にも大きな力を発揮します。


そして、ホワイトニングをすることで自分の歯への意識を高めることは、いつまでも丈夫で強い歯を持ち、一生自分の歯で噛んで食べるという人間としての基本にもつながるのです。さらに、白くてきれいな歯を持つことは、大きな自信にも繋がります。


自然で豊かないい笑顔の人は知らず知らずのうちに、人に恵まれます。笑顔は人と人を結ぶ「黄金の鎖」なのです。笑顔のいい人は、いい仕事や、いい友人に恵まれ、人生を豊かに過ごすことができるでしょう。