朝に弱い・・・・


「最近、毎日寝つきが悪くて、翌日だるくてしょうがないのですが……」という人が増えているようです。
理由としては以下のことが考えられます。


・家で心地よい眠り(安眠)を手に入れにくくなっている。


・深夜テレビやコンビニによって昼夜の区別がなくなった暮らしの変化。


・生活のスケジュールが夜型になっている。


・仕事や通勤など普段の生活で、精神的にかなりダメージを受けている。
どうでしょうか?皆さんも当てはまることが多いのではないでしょうか?「朝に弱い」は多くの現代人が抱えている
問題といえるでしょう。


近年の技術進歩(携帯電話の普及、インターネットの普及とそこから得られる情報量の増加)の結果、生きるスピードがどんどん加速され、昔と比べ一生のうちで積み上げるものの量が飛躍的に増えていきました。それに付随して仕事の範囲も増えてきているのです。それをクリアして行こうとすると、寝ている暇などないということになってしまいます。


そんな社会状況も、「朝に弱い」人を増やすひとつの要因になっているといえるでしょう。
また寝るときにやると“良い”と思われていたことが“ダメ”だということもあります。例えばアルコールは寝る前に飲むと、眠りにつきやすくなると思われがちですが、これは間違いです。アルコールに
は脳をぼんやりさせる作用があり、これによって眠くなったと感じるがかえって逆効果です。アルコールは
眠るための薬ではないのです。


そして、寝る前にジョギングをするのも逆効果なのです。激しい運動も脳を興奮させ、寝るときには下がるはずの
体温が上がり、なかなか寝付けなくなります。


「朝に弱い」のマイナス面


「朝に弱い」とどういった問題が出てくるのでしょう?「朝がツライ」事は、便利で快適になっていく社会環境
とは裏腹に人間の体が悲鳴を上げつつあることのサインです。


ひとつに変調をきたせば、低血圧や便秘、頭が重いなど他の器官にも影響がでてきます。(障害や病気
については次の章で説明します)生活リズムという点でも大きな変調をきたし、それが人の人
生まで変えてしまうほどの問題になることもあります。例えば子供の頃からずっと、起こされてやっと起きた人は、自分で意思を持って起きるという訓練をしていません。朝起きるまで起こしてあげるのが当たり前というところから、「させられる人生」「してあげる人生」が始まるのです。そこから自我の形成が遅れ、その結果大人になっても自分を抑制(寝坊や遅刻をしない、お金を節約できないなど)できなくなってしまうのです。


人間の体は、リズムやメカニズムが保たれていることが大切です。朝起きる時間も夜寝る時間も不規則といった生活をしている人の中には、トータルとしては十分な睡眠時間をとっていても頭も体もすっきりしないという経験を持っている人も少なくないと思います。時間は十分でも、きちんと健康的な睡眠をとっていないので、朝も疲れが取りきれずすっきりと起きられないのです。


そして体のメカニズムが壊れるということは体内時計に少しずつ狂いが生じ、規則的に眠りが襲ってこなくなる
ことを指します。体内時計も必要があってセットされているのですから、それを一度壊すと、元に戻すのは実に大変です。


そうなると毎日学校や職場に余裕をもって向かうことができなくなります。毎日遅刻すれすれ、そして通勤時間のイライラが思わぬストレスになり、仕事や勉強にも影響してきます。


「朝に弱い」が生む障害や病気


「自律神経失調症」食欲不振や生理不順などを引き起こす病気です。体のバランスを保つのに重要な内分泌系にも異常をきたし、思わぬ障害に繋がっていく可能性もあります。「仮面うつ病」元気がなくなるなど精神面に症状がでるうつ病と違い、だるくて朝起きられないといった体の症状となって現れてきます。


頑張り屋の人がなりやすいので、自分を責めてしまうと逆効果になります。


初期は風邪程度のもので、カラオケなどでストレスを発散すればいつの間にか直っていることもあります。
「無間無呼吸症候群」夜眠っている間に一瞬呼吸が止まってしまう病気です。朝起きるのが辛い、昼間でもどうしょうもない眠気に襲われる、太っていていびきが大きいという人はこの病気の可能性が
あります。


「睡眠覚醒スケジュール障害」 体内時計が狂うということで、体内の臓器の働きや各分泌
系の活動、筋肉の動きなどもメチャクチャになり不健康な状態になる障害です。自分の体が思うように動かなかったり、体は疲れていても夜眠れない、大事な仕事中に突然強烈な睡気に襲われるといったことが起きます。いわゆる時差ボケのような状態になってしまうのです。


「ストレスによる障害」 原因不明のストレスは多くは不眠のせいといわれています。朝起きられないことがストレスを生み、そのストレスがまた朝起きられなくしているという悪循環に陥るのです。そのため、毎朝余裕がなく家を出て、余裕がなく電車に揺られ、遅刻すれすれの時間に会社または学校に着くという生活に
なります。


そうなると、その日一日気持ち良く過ごすことは出来ませんし、ミスをすることも多くなってしまいます。
しかも、そのままにしておくとうつ病などの心の病を引き起こす要因にもなってしまいます。最近よく聞く、うつ病や引きこもりを作り出す初期段階がこういった部分なのです。他にも過食症、拒食症、便秘、肥満、生理不順、首筋や肩のコリ、胃腸の不調、抵抗力の低下で風邪を引きやすくなるなど、「朝が弱い」からくる不規則な生活は多くの障害や病気をひきおこしやすいのです。


「朝に弱い」を「朝に強い」にするには


一日の時間の流れを、人生の歩みの流れと考えてみましょう。朝起きることは人生に目覚めることです。朝起きるのが遅いということは、それだけ人生に遅れが生じると考えて臨むべ
きでしょう。


眠るということは単に体を休息させるというよりも、大脳を休ませる役割が大きいのです。私達は眠ると疲れが取
れ元気になります。それは眠っている間に疲労を回復し、さらに体内でエネルギーを蓄えているからです。気持ちよく目覚めるための一番いい方法は「夜きちんと眠る」ことです。


二度寝はいたずらに浅い眠りをプラスしているだけで、すっきりと目覚めることはできません。
浅い眠りの段階では音や光に反応しますから、うるさいところで眠れば目が覚めますし、深い眠りに移行しないケースがあります。


そういう意味では昼間より夜の方が眠りの環境としてはいいですし、暑すぎたり寒すぎたりしてもいません。
その上で、適度な睡眠時間は7時間程度が良いでしょう。


一日のリズムをつかさどるのは体内時計で、それをコントロールするのは自分自身であることを自覚しましょう。人によって生活パターンは当然違います。だからこそ自分にあった睡眠時間を見つけてあげることが必要なの
です。


ただ、脳や体の各器官は、起きてすぐに活発に動くわけではありません。熱いシャワーを浴びたり、朝食を食べたりという刺激によって少しずつ動き始めるのです。そのためでかける一時間前には起きて、体を万全にするための準備を整える。


起床時間より就寝時間を決める。毎日寝る前にある決まったことを自分に課し、これをこうすれば自分は眠れるという条件付けをする。などの工夫をするのも大切です。


また、夜はぬるめの風呂入る、瞑想、イメージトレーニング、腹式呼吸、柔軟体操を毎日寝る前
に行うと、心身ともにリラックスできて眠りやすいとされています。是非、一度お試し下さい。


睡眠と覚醒の「メリハリ」が体を活性化させます。「メリハリ」のある生活とは、楽しいことをより楽しくするスパイ
スのようなもの。だれかにやらされているのではなく、自分の意思でやっているのだという自覚を持たせることが大切です。


自分自身にやりたいことや目的があれば、誰かに強制されることがなくても起きられるというものです。
第5章「朝に強い」とこんなにトクをするまずは早起きする習慣をつけることが大切です。


最初は辛いですが、毎日早起きしていれば少しずつ楽になります。


以前は朝が遅く、生活リズムが狂い大学の授業に出られず一年間留年した女性も早起きすることからはじめたそうです。


するとできることの多さに気付き、何に対しても積極的になり、自分からいろいろなものを吸収しようという欲
が出てきました。最初は小さな喜びでも、それを繰り返すと十分起きる力になるのです。


朝起きて夜眠ることで、体全体のバランスは保たれます。


朝は疲れが取れているので脳も元気で集中力があります。


体も同様に仕事の後はクタクタですが、朝にはまた元気を取り戻しています。


同じ時間なのに朝の一時間は夜の何時間分にも感じられるのです。


時間を取れるという面でも朝の方が良いです。毎晩仕事が終わってから、学校が終わってからでは、付き合いや用事などがあり自分の時間を持つのは難しいです。


でも、朝なら決心次第で十分可能なのです。毎日、本を読む・毎日、新聞を読むということで知識や広い見識を持つことも可能ですし、資格試験などの勉強に当てても良いですし、ジョギングをすればダイエットにも健康不足解消にもなります。朝が早いとざっと考えてもこれだけの“得”があるといえますよね。