もう更新しないつもりでいたけれど、
ここにしか書けない気がすることができたので。
ご無沙汰しております。
ヒナタアコです。
今はカタカナで名乗っております。
書かなきゃいけないことが出来た時、書く前までは「あれをこう‥‥」「こんな言い回し‥‥」って考えているのだけど、いざ書こうとするとありがとうとかごめんなさいしか言えなくなるタイプで。
でも今回は、出来る限り、書きたいように、書いていこうと思います。
キレイゴト。に親交の深い方が、8/10に、亡くなりました。
そのお知らせを聞いてから、13日18:54までの、記録と、記憶です。
そういったものを読みたくない人は、ここまでで引き返していただいて構いません。
2017年8月12日 AM10:27
その日、野球を観にZOZOマリンスタジアム(海浜幕張)に行く予定だったのだが、なんとなく、行きたくないなぁとなり、少し遅れていくことにする。仲間内に「頭痛がするから1h遅れていく」と伝えて、ゴロゴロする。
AM11:26
IさんからLINE。Xさんが亡くなったと、くる。
すぐに通話。意味が分からなくて少し笑いすら漏れる。人間、受け入れられないことが起きると笑いが出るらしい。
キレイゴト。経由で知ったから、とりあえず私に、ということで連絡をくれたそうだ。
Iさんもまた、共通の知人からそのことを聞いたらしく、情報が入り次第また教えてくれるとのことだった。
AM11:38
野球に行ける状態ではなかったので、仲間にキャンセルの連絡を試みる。が、基本的にTwitterがメインの付き合いのため、少々もたつく。
今回の会の中で特に仲良くしてくれているお姉さん、会を主催してくれたお姉さんにのみ本当のことを話した。ドタキャンになってしまったにも関わらず、気にしなくていいと言ってくれたお2人に感謝。他のメンバーには体調不良で通すことに。
人との繋がりの暖かさが有難い一方、まだ信じられないのに淡々と進められる気持ちとのバランスが取れなくなる。
PM12:38
Iさんはその時他県におり、連絡があまりとれなかった。突然すぎて処理が追いつかない。誰かと共有しようにもできない。パニックに陥る。
堪らず、母にLINE。通話していいか聞き、「そんなのいちいち聞かなくてよい」と怒られる。
母と通話。ごちゃごちゃした気持ちや、今後どう動くといいかなどを一旦整理する。落ち着く。
母に、「事故ならニュースに出る可能性もあるから調べてみれば」と言われる。母は保険関係の仕事の経験があるため、このような知識がある。
が、調べても調べても出てこない。
ここで、「もしかして壮大な嘘なんじゃないか」と思い始める。今思えば現実逃避に他ならないが、あの時は本当にそう思っていた。
人の言葉なんて、当てにならない。そう思い込もうとすらしていたように思う。
確認する方法は一つしかなかった。
PM13:26
Iさんから、Rさんに話したと連絡が来る。自分は連絡をこまめに出来ないから、とフォローを頼まれる。
RさんにLINE。Rさんはとても落ち着いて接してくれたので、必要以上にボロボロにならずに済んだように思う。有難かった。
何も分からない、恐ろしい気持ちが続く。
PM13:43
嘘なら嘘で死ぬほど怒ればいい、本当ならせめてやれる限りがしたい。
最後の手段に出る。
XさんのLINEに、「明日暇?」「飲みに行こう(ノ)`∨´(ヾ)」と、送る。
PM13:54
返信が来る。お姉さんからだった。私もお会いしている。話したこともある。顔も覚えている。
信じたくないことが真実になった瞬間だった。
カマをかけて聞いたことを明かして謝罪し、色々なことを確認させていただく。
某駅近くの会館に眠っていること、13日までなら会うことが出来ること、ぜひ会ってほしい、喜びます、と。また、SNSを使用せず、個々での連絡であれば伝えても構わないと言ってもらえた。
この時、少しの間だけ、キレイゴト。の日向あこに戻ろうと思った。
Xさんは、私がキレイゴト。の主宰であること、リーダーとしての私を評価してくれていた人だったから。
私が、キレイゴト。の日向あことして、最後に出来ることをしようと決めたのはここだった。
PM14:02
お姉さんと連絡を取り合いながら、Rさんに連絡を取る。
お別れを言いに行くと伝えると、「いっしょにいく?」と言ってくれた。そのまま、何時に待ち合わせするか簡単に擦り合わせる。
Iさんに、会うことができそうなことを伝える。もし会えるなら他県から戻ると言っていたから。
シャワーを浴びる。気合いを入れ直す。
気を抜くとしゃくりあげて泣いてしまうから、ぐっと噛んで堪える。
PM14:35
シャワーから上がり、連絡を取るべきだと思う人に連絡を取りながら支度をする。
これはここだけではなくずっとそうだったのだが、なるべく文字ではなく通話するようにした。恐らく、文字で書きたくなかったのだと思う。何故かは分からないけれど。
Mに連絡を取る。Xさんに出会うきっかけとなった舞台公演の団体に繋がりがあるため、知らせておきたかった。LINEを交換していなかったので、TwitterのDMで連絡。ちょうど某所で打ち合わせ終わりだったらしく、電話ができた。
状況を伝え、私が知らないXさんに繋がりある人への連絡を依頼する。引き受けてくれた。
16:00にRさんと某駅で待ち合わせだったのだが、Mと打ち合わせ相手の数人も会いに行きたいとのことで、一緒に行くことにする。
連絡が増えてめんどくさくなり、MとLINEを交換する。
PM15:14
バス停に向かう。頭が痛いが食欲も時間もないため、飲むヨーグルトと水だけ買う。
バスで揺られている時、この道はXさんの運転するバイクの後ろに乗せてもらって走った道だなぁなどと考えてしまい涙が止まらなくなる。
某駅近くをバスで通った時、眠っているという会館の脇を通る。そこは某劇場に向かうまでの道の途中にあり、前から存在は知っていた。自分が入ることになるとは思っていなかったなぁなどと思って、また泣く。
感情のバランスの制御が難しかった。
PM15:42
バスが早く着く。駅前のカフェに入りホットコーヒーを飲むことにする。Rさんに早く着いたこととカフェの名前を伝える。
Rさんが来る。二人で暫しコーヒーを飲む。
PM16:00~
改札前でMとTさん、Hさん、Yさんと合流。先ほど通り過ぎた会館へ向かう。
会館の前で警備員さんに「〇〇家の方ですか?」と聞かれる。いえ、と答えたら、「Xさんの方ですね」と言われ、ガーンと殴られたような気持ちになる。99.9%が100%になった瞬間だった。
部屋を訪ね、ノックをする。扉が開く。ご家族の方がいらっしゃった。普通の公民館のような小さな部屋の奥で、Xさんは眠っていた。
本当に、眠っているようだった。
お線香を上げる。家族の方と話す。
お母さんに、あこさんって芸名なのね、本名だと思ってたわと言われる。家ではあこちゃんあこちゃん言っていたから、と。
お姉さんと、お別れを言うことの出来る時間を確認する。色々な人に伝えていいのかも、改めて。
会館を出て、駅に向かう。
改札で予定のあるRさんを見送る。最後まで、落ち着いていてくれた。本当に支えていただいた。
駅前のファミレスに入り、ぽつりぽつりと話しながら、待機する。会いたい人と繋げられるように。Mと2人で、連絡を取ったり通話したり。
観劇帰りのOさんが来る。Yさんが、会館まで連れて行ってくれた。このタイミングで、TさんとHさんはお帰りになった。いい作品を作ってください。
OさんもYさんも本当に久々にお会いした。Xさんが亡くなったことで久々に会うとは、何だかなぁ、という気持ちであった。
T.Tが来て、Mが連れて行ってくれた。人が割といたらしく、すぐ戻ってきた。ずっとコーヒーばかり飲んでいたのだが、私がトイレから戻ったら生ハムのサラダが来ていた。3人で食べた。
PM20:00
駅前で帰省から戻ってきたゆたを拾う。
MとT.Tとはここでバイバイした。Mがずっと付き合ってくれて助かった。
ゆたと会館に向かう。部屋には、他県から戻ってきたIさんとIさんの作品の関係者の方が3人ほど来ていた。Iさんが間に合ったことにほっとした。
2回目でも涙は出るもので、やっぱり寝てるみたいだなぁと思った。
1時間ほど滞在させていただいた。
帰り道、某駅の乗り換えの際に母と電話で話す。
気が抜けたのかホームで大泣きしてしまい他のお客さんに戸惑われる。
明日も行きたい顔が見たいが迷惑かなと思うと行けない、という私を、母が行きたいだけ行きなさいと諭す。車の仕事をしている母に、事故に気をつけてねと声をかける。
最寄り駅につき、そのままカラオケに駆け込む。音を適度に大きくして、歌を歌いながら、泣く。
発散しないと帰れる気がしなかった。
12日深夜
帰宅後、住んでいるアパートの道路向かいの家の階段(もう使っていない診療所の入口)でお酒を飲みながら、色々な人に連絡を取る。
深夜だし目上の方だしと迷ったが、こういうことは迷ってはいけないと思いながらAさんに連絡を取る。Aさんは演出家さんで、私の作品きっかけでXさんと知り合った方だから恐らく私が連絡をしない限りお別れできない気がしたのだ。
この辺りはずっと迷いながらだった。連絡していいのかと戸惑いながらずっと走っていた。
Iさん、Rさん、MがLINEに付き合ってくれる。全員から身体の心配されて申し訳ない気持ちになる。ありがたい話だが。
結局13日も、Xさんにスタッフをお願いした公演に関わっていたKさんと行くことになる。
正直、もう1度行く理由ができて嬉しかった。
0時前、Dさんから電話が来る。
Xさんと昔から仲のいい人で、詳細は私が知っていると言われてかけてきたそう。
あ、窓口なんだなぁ私と思って少し笑う。窓口は窓口らしく、きちんと情報を渡す。伝言も引き受けた。
このことがきっかけで、久しく会っていなかった人と連絡を取ったり会ったりしている。
2017年8月13日 AM11:00
10:30の予定だったが、少し早すぎるかと思い直して待ち合わせを11:00に変更する。
昨日と同じく飲むヨーグルトと、小さな黒霧島のボトルを買う。Xさんはいつも芋焼酎を熱燗で飲む人だった。前夜、色々なことがあってお酒を買うことにしていた。
バスの中でまた1人、伝言を預かる。13日の朝に連絡した人で、会うことはできないから、と。祈ってくれると言っていた。
バスはやっぱり早く着き、昨日と同じ店でコーヒーを飲む。Kさんが来る。2016年の2月の公演依頼で、何も変わってなくて安心する。
本当はしれさんも一緒に行く予定だったのだが、何故か40分ほど遅刻するという。(10:30の待ち合わせには間に合いそうだったのに)
「しれきちはー、もうー」というXさんの声が頭に残って仕方ない。今もまだ聞こえる。
会館に向かう。
全員昨日より口数が少ない。仕方ない。
MちゃんとO君、Mちゃんのお母様が来る。O君は、神妙な顔つきで眠るXさんを見ていた。
しれきちが来る。喪服を着ている。私と違う形で、Xさんと仲が良かったのだ。彼が言葉を失うのを見たのはこれが初めてだった気がする。
Nさんが来る。Rさんから知らされてきたと言っていた。帰り際、Nさんに無言で何かを伝えられる。私も、Nさんに無言で何かを伝える。
Aさんが来る。来れるか分からないと言っていたので驚いた。後程、舞台公演の写真を送ってくれた。
MとCさんという女の子も来て、結局2h程滞在させていただく。私が顔を見たのはここが最後だった。何度もお伺いさせて頂いて、本当に有難かった。ありがとうございますとしか言えない。
pm14:30ごろ
改札前でAさんを待つ。前述の人ではない。
Aさんの顔を見る。困ったように笑い合う。ついていくか聞いて、1人で行くと言われたので荷物を預かる。間に合ってよかった。
会館へ連れて行く。Kさんに会う。Aさんを見送り、入口でKさんと話しながら、待つ。
Fさんが来る。稽古の合間だという。見送る。
ライターを秒で無くし、Kさんが貸してくれる。二度目ましてなのに本当に優しい人だった。
AさんとFさんが出てくる。四人で駅まで歩き、2人を見送る。Aさんと少し話す。バスに乗るのを見届けてから、少し駅前のベンチでぼんやりする。
Nさんと、Rさんに報告をする。
そのままバスに乗る。子供が座席の背中を蹴ってきてびっくりする。お母さんに謝られたが、元気なら何でもいいよ、という気持ちになる。泣く。
pm16:30
某駅に着く。元々母と食事をする予定だったのだ。某駅ビルのカフェに入り、ただひたすらぼんやりしながら待つ。
母が来る。少し話す。日常に戻りたいからと言って、駅ビルのユニクロに入る。2周して、服を2着買ってもらう。
熟成肉の店に入る。母と色々なことを話す。お酒を飲み、美味しいものを食べる。美味しいものを食べると、すぐに、Xさんを思い出す。
pm18:54
Dさんから、連絡。
会えたよ、とのことだった。
全て終わった。キレイゴト。の日向あことして、Xさんについての全てが、終わった。
トイレで少しだけ泣く。
終わったことが辛かったし、本当はこんなことないほうがいいんだ。Xさんが生きてるほうがいいんだ、よっぽど。
これで全部です。
これを残すことが正しいかも分からないけれど、残しておきたかったのです。
本当はXさんに褒めてもらいたかった。ありがとうって言ってもらいたかった。私はいつも、Xさんにありがとうって言ってばかりだった。
私にとって、キレイゴト。にとって、Xさんはとても大事な人でした。紛れもない仲間でした。
もうこれ以上、何も書けないので。
これはここで終わります。
私とXさんについても書き残したいのだけど、それは方法が見つかってからにします。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
2017.8.17
ヒナタアコ