【元永本古今集】平仮名の特徴をつかみ、日常に取り入れてみる | 神戸市垂水区 ペン字・通信添削講座・硬筆書写技能検定・毛筆書写技能検定

神戸市垂水区 ペン字・通信添削講座・硬筆書写技能検定・毛筆書写技能検定

・初心者の方から上級者の方まで、お一人お一人丁寧にご指導します。
・お悩みに寄り添います。
・楽しく、効果的に練習できる方法をご提案します

今日は「元永本古今集」の平仮名を取り上げます。
 
仮名書道というよりは、日常の平仮名にどう生かすかという観点になります。
また、検定や競書などでいい成績を……というのとはちょっと違います。
 
「平仮名を日常で楽しむ(遊ぶ)・上級編」というようなイメージでお考えいただけたらと思います。
 
 
日常で使う平仮名をいかに大人っぽく、いかに美しくアップデートするか、ということの鍵は古筆にあると考えています。

 

特に「元永本古今集」の字は日常に応用しやすいと思っています(人によって様々だと思います)。

 

 
先日「元永本古今集」の二周目の全臨(部分的な臨書は度々していますが)を開始しました。
この古筆は分量がすさまじい。千里の道も一歩からです。
字の様々なことに着目しながら、考えたり復習したりして進めていく予定です。
 
今回は、「元永本古今集」の最初の部分で出会った「み」の字に着目したいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この紫の矢印に着目してみます。
 
現代において「み」は二画で書くことが多いかと思います。
 
古筆では、「み」を一筆で書いているものが大半になります。
 
つまり……
下の画像のような字形では、一画目と二画目は筆を離さず続けて書かれているものが大半。
そして二画目の線が少し上に出ているものでも、上に出ている部分の長さはかなり短いものが多いです。
 
ちなみに「元永本古今集」の「み」の中には、このような字形もあります。
 
左下の結びが限りなく小さく、現代では二画で書くところが一画になっています(この二画目との一体化?は古筆ではよくあります)。

 

ここまでくると速書きしやすそう。

しかし、現代ではちょっと読みにくいですね^^

 

 

ですが、この要素を取り入れていくことは有用です。
 
どのように取り入れるかと言いますと、
 
・左下の結びは小さめに書く
・二画目の線は(横線より)あまり頭を出しすぎない
 
というところかなと思います。
(基本形をマスターした上で)
 
「元永本」らしい上品さに近づけるかなと。
 
 
また、「み」の書き始めの部分も、古筆では左上から落ちてくるような線で書かれることが多いですが、ここもその雰囲気をやんわりと取り入れると、ちょっと古風で素敵な字になるかもしれません。
 
 
ちなみに、他の古筆を見てみると、「本阿弥切」などで「み」の二画目の頭を長く出して書いているものは多少ありますが、少数派。
少数派は個性が出るかと。
 
「み」の結びが大きく書かれている古筆は割りとあり、大きさ色々です。
結びは大きめに書くと、明るく大らかになりますね。
 
「元永本古今集」の仮名は結びが小さめのものが多いです。
それは一つの特徴ですかね。
 
結びに注目して古筆を見てみるのも面白く、なりたい字の雰囲気に合うものを日常に取り入れていくのも楽しそうです。