今日は、作品のクオリティーを上げるのに大事なこと、というテーマで書きます。
字形も線質も良いけれど、なんだか作品の出来がいまいちな気がする…
そんなとき…
字の大きさを確認してみましょう。
字形も線質も大事ですが、「字の大きさ」というのも大事な要素です。
「字の大きさ」にこだわってみましょう。
適切な字の大きさで書かれたものは、見栄えがよくなります。
字粒がそろって見えなかっったり、全体的に大きすぎたり、小さくなりすぎたりしていないか、練習のときによく確認してみてください。
何度も1級が不合格になる、と私のところに添削をご依頼くださる方の中には、字形も良し、線質も良し…
でも、体裁が惜しい、という方が少なくないです。
そして、例えば「楷・行・草」の大きさをそろえましょう、とお伝えすると…
そうか、字の大きさか、ということに気づかれて、これまでの連続した不合格が嘘みたいにスッと合格されるケースがあります。
字の大きさは、実に大事です。
読みやすい大きさ、美しく見える大きさ、というのがあります。
「漢字大きく、平仮名小さく」ということだけが一人歩きして、漢字に比べて平仮名が極端に小さくなってしまっている例もあるので、気をつけましょう。
ほんの一例ですが…平仮名では特に「の」の小ささを指摘することが多いです。漢字の半分以下の大きさになってしまっては、小さすぎます。逆に大きくなりがちなのは「む」。漢字と同じくらいの大きさにならないように。「む」は、幅を出しすぎないにしましょう。縦長を意識するくらいでいいかもしれません。
また、同じ漢字や平仮名でも大きめに書くもの、小さめに書くものがあります。
例えば漢字の「白」や「日」、「山」など、画数の少ないものを大きく書くとバランスが悪くなります(ただし、「人」など、画数が少なくても小さくするとおかしいものもあります)。
三体でも、「白」や「山」が大きすぎて目立ってしまう作品をよく見ます。
それぞれの字のほどよい大きさが分かっていることがとても大事です。
これは、毛筆でも硬筆でも同じです。
書写検定の具体例を上げますと…
硬筆の現代詩でありがちなのが、行によって字の大きさがバラバラになるケースです。
書き出しの行だけが大きくなるケースが多いので、全体の大きさをそろえるように気をつけてください。
硬筆の縦書きでは、字が大きすぎるケースが多いですが、漢字がすごく目立ってしまったりしないようにします(しかし、それを気にするあまり、小さくなりすぎるのはよくないので、ほどよい加減で)。
毛筆・硬筆の三体は、楷・行・草の大きさがバラバラになりがちで、特に草書が小さくなりやすい人が多いです。
毛筆の古典の臨書では、半紙いっぱいの大きさに書いてしまわないよう、余白にも気を配ります。
字形や線質などは言うまでもないですが、字の大きさも置き去りにはできません。
ただ、字の大きさをほどよくするというのは、簡単なことではないので、字の大きさをそろえる意識で練習する、というのを繰り返していく必要があります。
書きっぱなしではなく、書いた後に、フィードバックすることも忘れないようにしましょう。
あと、手本を見て字の練習をするときには、字形だけでなく、大きさもよく見るといいです。
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