スターウォーズ シスの復讐 | Museo Kircheriano

スターウォーズ シスの復讐

終わり良ければ、全て良しとはシェークスピアだが、

終わりが良いかは悪いかは、オーディエンスの手にゆだねられている、それはどんなショービジネスでも

同じことだ。

最後のエピソードが後味の悪いものになることが決まっていても、終わり良ければ...なのか?


ほとんど、ジョージ・ルーカスのライフワークと言えば聞こえは良いが、ほかはさっぱりなので、

これに賭けていると言っても過言ではなかったスターウォーズの最後となる予定の「シスの復讐」を見た。


改めて思うが、壮大なスペースオペラが、どうも周りをエライ巻き込んだ親子喧嘩にまで矮小化された印象もないではない。

スターウォーズが完璧にアナキンの話になったのは、ある意味正しいとは言えるかもしれない。

今回の話で明らかになった謎は、う~ん、そんなにないよなぁ。

結局、アナキンの父親はなんだか分からんし。

シスもなんで復讐なのか分からんし、ダースベーダーの復讐にはギリギリ意味があるけど、復讐したくなるほどとは思えんよなぁ。

パルパティーンの出自も不明だよなぁ。

シスってどこから来たんだよ?って部分が多すぎる。


ストーリーの平和な共和国が独裁政権下の帝国になる様子は、なかなか興味深い。

極めて民主的に選ばれた指導者が、極めて熱狂的な支持によって、圧倒的な独裁者になる、極めて民主的な手続きによって。

これは、非常に興味深い。

不安感、危機感を煽って、大衆を扇動した結果が、帝国という展開。

これって、どこか似ていないか?どこかの国に。

皇帝は、ご丁寧に民主主義の敵まで作っている用意周到さだ。

最後には、議会から距離を置いた存在だったジェダイは、議会の敵、民主主義の敵として駆逐されるに至るわけで、これは過去の帝国主義の台頭そのままだし、今日のどこかにも似ている。


アナキンは、なんか終始怒りっぱなしなので、最初から暗黒面に魅入られているような気はする。


思えばEP6の「ジェダイの復讐」のタイトルも意外と合っていたような気がしてくるというなぁ、この内容ならばとは思えた。


よく、例のEP6の最後のヘイデン・クリステンセンの出演に関して、「EP3を見ると納得できる」というのは、

やっぱり嘘だよなぁと思った。

このシリーズが、アナキンの一代記ならば、最後は贖罪されたアナキンではないと、救われない気がする。

さらには、EP6で最後にアナキンが皇帝を裏切るトリガーはルークの

「お父さん、助けて!」

だった。

EP3では、アナキンは子供を一度も見ていないし、子供のことなんか殆ど考えていない、考えているのはパドメのことだけ。

EP6の最後で、アナキンが始めて父親として目覚めたと考えると、それ以前のヘイゼン・クリステンセンが最後に出てくるのは、違和感があると思うんだが。

あの頃はアナキンは、父親ではないのだからさぁ。

後の伏線のためにしきりにパドメが「良心は残っている」と言うけど、それより親になったという意識に目覚めたという方が話としては、いい話になると思うんだが、どうだろう?

若返ってもいいけど、贖罪は出来ないってことだし、アナキンは救済されたわけではないよな、これでは。


ルーカスって、子供は全部、養子なんだけど関係あるかなぁ。


まぁ、自分で見ないと納得できないということはハッキリしたな。

贖罪って、ルーカスはあんまり理解していないってことも判ったけど。