都内の新型コロナ感染者の急増、記録的な豪雨の被害など不穏なニュースが続く中、俳優の三浦春馬さんの急逝の報道が。第一報は昼のニュースだったようですが、ずっと外にいたため知ったのは夕方で、その日の夜はショックのあまりずっとへたり込んでいました。

 

人は、羨むような人生を送っているように見えても心の中は分からない…これは、夏限定で対面鑑定をしていてますます強く思うことです。お見えになる方の中には、私の憧れの職業に就いておられる方も何人かいました。その方たちの仕事をある意味「ゴール」にして人生を生きてきたような自分に、その場に上り詰めた当人しか見えない大きな苦痛があるとは想像もつかなかった。春馬さんについては遺書があったそうですが、今の段階では詳しいことは分かっていません。発見された当日も撮影が入っていたそうです。

 

10年ほど前、ネットラジオのパーソナリティをやっていた頃「山下智久さん、水嶋ヒロさん、三浦春馬さんは全員牡羊座。若くてルックスのいい俳優さんは皆牡羊座ですね」というトークをしたことを思い出しました。牡羊座は明るく楽観的で、スポーティな星座、というひとつの分類上の雛形があります。でも、人間なのだから苦悩がないはずがない。むしろ、人に「明るい」と思われているからこそ、ダークサイドを打ち明けられない苦しみがあるのかも知れません。

 

三浦春馬さんのホロスコープを見て気づいたのは、ネイタル(出生)の山羊座の土星に、トランジット(進行)の土星がほぼ正確に乗っていたこと。2017年12月20日に土星が山羊座入りしてから、いわゆる「サターンリターン」期に入っていました。28歳から30歳にかけて誰にでも起こる現象で、ここで人生の枝葉を切り落としたり、大きな試練を迎えると言われています。とても若い頃から芸能界で活躍してきた春馬さんにとっても、伸びすぎた枝を剪定したり、じっくり止まって考える時期に入っていたのではないか。

月は獅子座で牡羊座の太陽とトライン、金星と火星は水瓶座にあります。この組み合わせはどこかで見たことがある…と思ったら、タレントのRoLAさんでした。RoLAさんは三浦さんの5日

前が誕生日なので、月の配置は異なりますが、金星・火星・木星以下の天体は同じです。

水瓶座の金星・火星を持つ人は、とても視野が広くニュートラルです。透明感があって、どこか中性的。とても賢い。「男も女も関係ないよ!」というボーダーレスな感覚を持っています。

 

振り返れば、深夜の番組で共演していたJUJUさんも水瓶座で、春馬さんととてもいいコンビでした。「ブラッディ・マンデイ」で共演された吉瀬美智子さんも水瓶座です。水瓶座の人を自然に引き寄せる引力があったのでしょう。火星が水瓶座にある男性は、少しエキセントリックなところがあるので、それを分かってくれる女性の前ではほっとするのかも知れませせん。

 

進行中の火星は6/28から牡羊座に入り、7/18には牡羊座の11度に入っていました。「牡羊座は火星の勢いに乗って忙しくなってきました」と、どこかで書いた記憶があります。春馬さんの太陽は牡羊座15度ですので、ドラマの撮影や出演映画のプレトーク番組への出演など、この日もたくさんのスケジュールが入っていたようです。

 3/20にいったん水瓶座に入った土星は、7/2から山羊座に戻り、7/18には山羊座の28度にありました。春馬さんの土星は山羊座24度で、4度の差で重なっています。ネイタルとトランジットのダブルチャートを作ると、太陽に火星が重なり、土星には(進行中の)土星と、冥王星(!)が重なってきます。ネイタル土星とトランジット冥王星は、オーブ(誤差)わずか1度です。

 

7/18の土曜日は、私にとってはよい一日でした。表参道でくつろいで、アイスティーを飲み、花屋さんにも立ち寄りました。正午のホロスコープを作ってみたら、天頂の太陽が真夜中の木星・冥王星・土星(すべて逆行)と、ギロチンのようなオポジションを作っています。チャートを見た瞬間「ギロチンだ」と思ったのです。活動星座の人たちにとっては、少なからず苛酷なチャートであるように見えます。

 

牡羊座は皆に元気を与える人。支配星は火星ですが、舞台やカメラの前では太陽の輝きを放ちます。パーソナルな天体に牡羊座・獅子座・水瓶座を持っていた三浦春馬さんは、天性のエンターテイナーで未来の表現者でした。多くの人々を楽しませるために、水瓶座にある天体をたくさん使ったのだと思います。水瓶座は平和主義で、皆がそうあってほしいと願う姿を鏡のように自分の肉体に映し出します。牡羊座の強靭なエゴと、水瓶座の奉仕精神は正反対。春馬さんは、そのどちらもフルに使って人生を駆け抜けました。演技力と美貌と美声、正義感と清潔感に溢れた、大好きな俳優さんでした。