シンガーソングライターの藤井風(ふじい・かぜ)さんに夢中です。10年に一度…いや15年に一度くらい3度のご飯を食べるのもやめたくなるほど大ファンになってしまうアーティストがいますが、久々に大々的にトキメキました。メジャーでのアルバム・デビューは今から10日前(!)でしたが(現在JAPANビルボードチャート1位)、youtubeではその歌唱力と殺人的なピアノのテクニックでだいぶ前から大勢のファンを獲得し、メジャーデビュー前にワンマンライヴも成功させてきた方なのだそう。コロナの影響で6月から始まるはずだった全国ツアーが延期となり、デビューのお祝い気分も半減ですが、そのもどかしさも加わって、秒速で膨大なファンを増やしている様子です。
スタッフのtwitterにアップされていた藤井風さん。写真によって顔がコロコロ変わるところが椎名林檎さんを彷彿させます。
古株ファンも多い藤井風さんを私が知ったのはつい一週間前。コロナ自粛が始まってからアナログラジオを再び聴く習慣がついたのですが、偶然「優しさ」という曲を聴いておったまげました。声も歌詞も曲も、一掴みで人を魅了するものを持っている。最近の若いアーティストにそれほど関心がなかった自分にとって、衝撃的な出会いでした。まるでティーンエイジャーのような感想ですが…「ラジオから曲が流れてきたので好きになった」なんて、まさに風っぽいです。
4人兄弟の末っ子だという藤井風さん、親御さんは「風」という名前をつけるなんてセンスがよすぎます。まさかの双子座で(笑)、1997年6月14日の正午生まれと仮定すると月が天秤、水星が双子、木星が水瓶、天王星も水瓶。風のサインの初期度数でグランドトラインが出来ていて、射手座の冥王星を頂点にした西洋凧(カイト)が浮き彫りになっています。超天才肌ですが、人の心をわかる「情」もある。火星の乙女座27度、海王星の山羊座29度というのがなんとも悩ましい。もう少しずれるとホロスコープの天体7つが風星座になるはずだったのに、このぎりぎり感がまた魅力になっています。ちなみに金星は蟹座の12度で、情にもろく庶民的なところもあります。
クラシックから笠置シヅ子、昭和歌謡にドリフ、洋楽のカーペンターズ、エイミー・ワインハウス、フュージョンまで膨大な数のカバーをアップし、音楽的には死角がないといった感じ。13歳でリストの「ハンガリー狂詩曲」を弾いている映像にはぶっとびました。小学生の頃から、1日7時間くらいはピアノの前で猛レッスンをしていたのではないでしょうか。
そんな天才ピアノ少年がなぜ、それ以外の「キャッチ―な」音楽に惹かれていったのか、そして膨大な曲をカバーしたのちに、たった22歳でなぜ凄まじいオリジナルを作ることが出来たのか…メロディー展開は粘り強く、歌詞は哲学的で、曲によっては宗教的な次元を感じさせるものもあります。
水星と天王星という知性の惑星がオウン・サインにあり、太陽と木星が風のサインにあるのですから、天才であって当然。それも目的意識がはっきりとしたカイトが表れているのだから、人の何十倍もの密度で時間を使えるのは当然といえば当然なのです。風さんの場合、病的なアスペクトもないですから(頑張り過ぎるという以外は)、天才ミュージッシャンにありがちな「スランプで薬物に溺れる」みたいなこともないでしょう。とても理性的で、頭の中味が綺麗な人です。
カイト相をもつミュージシャンは超人的な自己鍛錬パワーにより早くに成功しますが、かつて似た相をもっていた天才ギタリスト・シンガーは4年あまり活動をしたのち、忽然と消えてしまいました。カイトは目的意識がはっきりしすぎているため、自分が納得すれば簡単にやめてしまえるのです。天才的であると同時に、自閉的な相です。藤井風さんは間違いなく世界の宝となるミュージシャンなので、周囲のスタッフは全力で支えてあげてほしいものです。
この方は、土星が牡羊座にあるため競争したり争ったりすることが嫌いなのです。戦争やあらゆる殺戮を憂いている宗教家のようなところもあり、喧嘩をふっかけられるとどこかに消えてしまいます。「もうええわ」という曲のPVで、見慣れた渋谷のごみ込みした場所でホームレスのようになっている藤井風さんは、イエスみたいな姿です。そのうち、湖の上を歩きだすかも知れません。
藤井風さんはいわゆる「イケメン」なのですが、こういう才能もあり容姿も性格もよい人に対して、男性は一種の甘い憧れを抱くようです。「嫉妬のしようもない。惚れるしかない」という発言をたくさん聴きました。男性にも女性にも闇雲に好かれてしまう藤井風さんは、本当に風の時代の救世主のようなアーティストだと思います。火星が乙女座なので、実は土足で心に踏み込まれるのは嫌い。一見寛大で心が広いけれど、門は狭い。「惚れちゃダメ」というソフトな拒絶オーラを、ふだんどのように出しているのか気になります。
双子座なのでコミュニケーションを娯楽にできる才能がありますが、表現者としての究極の目的は射手座の冥王星が語っています。「死」と「哲学」と、無限なるもの、永遠なるもの、人間の条件を超えたものを表現する使命をもって生まれてきた方です(ちょっと抽象的ですが…)。
12月に延期されたライブは早く早くもソールドアウトとの噂ですが、一度生で聴いてみたい方です。