1981年のチャールズ皇太子とダイアナ妃のロイヤル・ウェディングをTV中継で観た世代にとって、チャールズとカミラさんの不倫はずっと謎でした。あんなに若くて美しい妻がいるのにどうして…(以下略)。恋愛とは当人同士にしか分からないミステリアスな絆だな、と納得するしかないですし、占星術からみると運命の不思議を読み取りたくなります。

 

2005年に結婚されました。

ホロスコープでご夫婦の相性を見るとき、太陽(男性)と月(女性)のアスペクト、太陽・月を逆にしたアスペクト、月同志のアスペクト(ライフスタイル相性)、男性の木星と女性の月のアスペクトなどをみますが、まったくご縁がなさそうな二人がなぜか一緒になっていることもあれば(結構多いです)「やはり宿命のカップルだ」と思うこともあります。チャールズ皇太子(1948年11月14

日生まれ)とカミラ夫人(1947年7月17日生まれ)の場合、ご縁はとても深いです。

 

ダイアナ妃も蟹座(1961年7月1日生まれ)ですが、度数で見るとチャールズ皇太子とカミラ夫人は太陽同志がオーブ1度でトラインしており、こちらのほうが人間としての相性が格段に良いのです。カミラ夫人は新月域の生まれで月も蟹座なので、夫の蠍座の太陽とも調和しています。おまけに、カミラ夫人の木星は蠍座にあり、蠍座のチャールズに大きな幸運を与えます。
金星・火星を交えてみると不調和の相もありますが、喧嘩するほど仲がいい相性で、お互いのワイルドな面も認め合っている感じです(2018年から2019年にかけてお二人で約5600万円の外遊にお金を使ったとも言われます)。カミラ夫人には蟹座に太陽・水星・月・金星のステリウムがあり、オポジションはありません。シンプルで悪気がなく、反省もしないので付き合っていて楽な人です。

 

ダイアナとチャールズ、ということになると、全く別です。ダイアナの月と木星が水瓶座にあることは、蠍座のチャールズにとっては脅威だったはずですし、チャールズの土星はダイアナの火星と重なっており「妻が何をやっても夫はそれを制限したり、ストレスを与えたりする」様子が見えます。ダイアナの火星は冥王星と接近していますので、反逆のパワーも破壊的です。それ以前に、夫の太陽と妻の月がスクエアで、対立は結婚後間もなく起こっていたはずです。

 

チャールズの金星は天秤座なので、美しい女性が好きですし、面食いです。19歳のダイアナには多くの魅力があったと思いますが、やはり中身まで見ないとダメです。ダイアナはポップ・スターのデュラン・デュランが好きで、貴族の家柄ではありましたが庶民感覚の持ち主でした。英国王室の様々な伝統…中には公にされていないものもあると思いますが…に嫌悪感を覚え、窒息しそうになっていたことは想像に難くありません。彼女の水瓶座の月・木星は、牡牛座の太陽をもつエリザベス女王とも反目しています。

 

カミラさんは、チャールズとダイアナの結婚には当初賛成していたという記述を読みました。彼女も既婚者でしたから、大人の割り切った感覚です。ここで、チャールズが蠍座であったことを思い出さないわけにはいかないのです。

一度でも蠍座の男性と付き合ったことのある女性なら…蠍座男性の口癖が「秘密だよ…」で、「隠れた恋」が大好きであることはよく知っていると思います(!)。他の女性と結婚しても、秘密の関係は続く…というシチュエーションが、チャールズを燃え立たせてしまったのでは…そして、水瓶座木星をもつ平等意識の強いダイアナは、そんな男の身勝手を許せなかったのでしょう。

 

 

不倫の鑑定をするときは、出来れば相手の奥さんのホロスコープも持ってきてもらいます。たいていの場合、彼の運命は奥さんにブロックされていて、簡単に別れるということはありません。真剣に思い詰めている女性を見ると、金星に表示される幼い愛で自分をごまかしている男性側が憎く思えてしまうこともあります。

 

チャールズとカミラ、ダイアナの三角関係は、すべてチャールズのホロスコープに内蔵されています。彼の天秤座の金星はダイアナのような魅惑的な美女を求めていました。しかし月のアスペクトは成熟したカミラを求めていたのです。チャールズの月は彼の支配星である冥王星とトライン。「運命的な相手を愛し続ける」相で、月は土星ともトライン域にあります。土星的な妻とは、年上で必ずしも美人ではなく、どちらかというとケチな女性です。ダイアナが、ストレスからかかなりの額をファッションに浪費していたことは、チャールズにとって大きな幻滅だったかも知れません。

 

カミラさんにも、魅力があるのです。獅子座で土星・冥王星が重なった年に生まれ(今年の1月にも38年ぶりにこの相が山羊座で起こりました)、なんだか空恐ろしい起爆剤を抱えている人です。男を強くしてくれる栄養が詰まった強い女で、彼女自身も欲しいものを最終的に手に入れます。ダイアナの死であれほど敵意を浴びておきながら、最終的に後妻になってしまうのですから、強くないはずがないのです。


チャールズの月と冥王星のトラインは、強力です。蠍座でなくても、この相をもつ男性は印象的な妻選びをします。自分の運命をゼロにしてしまうような、自分でもその理由が分からないような相手と結婚します。妻の中で一度死んで、新しく生まれ変わるような経験をするのです。愛する女性となら遠い土地で二人きりで暮らしても平気です。その女性が、チャールズにとってはカミラだったのでしょう。