週末もコロナ自粛が続く中、アメリカでの死者数が3万人を超えたという衝撃的なニュースが入ってきました。このスピードだと、明日には4万人になっているかも知れません。スーパースターのマドンナも、従兄弟と護衛スタッフの友人と、仲間のクリエイターが一週間のうちに亡くなったことを映像とともにtwitterで伝えています。死の都になってしまったNY。マンハッタンは埋め立て地なので、車のクラクションも街ゆく人々の喧騒も地下の基底部分に反響して、平時は街全体が音楽を奏でています。「同時多発テロのあと、街から音が消えてしまった」と語っていた方がいましたが、2020年の4月も水を打ったような静けさでしょうか…SFのような世界です。
マドンナは数年前からポルトガルのリスボンに住んでいるそうですが、私にとっては永遠のアメリカのエンターテイナーのイメージ。2020年の「マダムX」ツアーはマドンナの怪我によって延期されていましたが、もはやコンサート自体が難しい状況です。悲しいので、昔のライブ映像をyoutubeで観ることにしました。80年代前半からトップスターとして走り続けてきたマドンナのパフォーマンスは、どの時代も過剰なまでのパワーに溢れていて圧倒されます。
1958年8月16日生まれ。デビュー当時は2歳齢をサバ呼んでいました。獅子座23度に太陽、乙女座1度の冥王星が近くにいて、水爆級のカリスマ性の持ち主。「太陽・冥王星」は地上の王と地底の王の組み合わせなので、このアスペクトの人はどの星座でも独特の威圧感があります。獅子座の支配星は太陽なので、マドンナの場合は倍増しになります。天王星も獅子座。金星は獅子座0度です。
獅子座に3つ、乙女座に3つ天体があり、牡牛座の火星、天秤座の木星が、ほぼチャートの半円の中に納まっていて、射手座の土星のみが外れていますが、オポジション(180度)がひとつもないのはとても彼女らしいです。ブレーキがなく、スピードと勢いで無限に暴走していく性質で、他人から何かを言われても無駄に反省したりしない人です。
牡羊座・獅子座・射手座のファイヤー・サインのエンターテイナーは別格です。華やかで、革命的で、炎上することを恐れない人々で、意図的なのか無意識なのか、つねに世間の物議を醸しだします。「炎上」の「炎」は火がふたつですから、まさにファイヤーです。マドンナも裸になったり、PVで十字架を焼いたりとかなり過激でしたし、歌詞のメッセージにも政治的にきわどい暗示が含まれています。挑発的で反抗的なのですが、それが全部スターの魅力になっていて、80年代から一貫した「問題児」のスタンスをとっています。2000年代に入ってからのアルバムには、ある種のレジスタンスの香りがする作品が多いのです。
レディ・ガガが登場したときは、ついにマドンナを超える人が…と衝撃を受けました。歌唱力はマドンナより上ですし、ダンスも甲乙つけがたい…二人とも学生時代は優秀で、ガガは飛び級もしています。エンタメの世界で影響力が強い人は、やはりダントツ火の星座です。ガガは12星座のスターター牡羊座(1986年3月28日生まれ)。金星も牡羊座で「戦う女戦士」のイメージですが、水星・木星が魚座なのが彼女の優しさになっているのでしょう。土星・天王星が射手座。火星は山羊座0度。月はおそらく蠍座です。月の近くには冥王星。ガガのチャートにもオポジションがないのです。メジャーデビュー前に、衣装代とセットにお金をかけすぎて4回破産(!)をしているそうですが、走り出したら誰も彼女を止められないのです。
エンターテイナーとは何者でしょう。誰も見たことのない奇妙な昆虫のようなコスチュームを着て、星空を背景に宙づりになっている、人間の形をした宇宙人です。ファイヤー・サインの超越的なファッションセンス、ダンスのうまさ、全身から発散されるメッセージには、観ている者の「意識を変える」威力があります。風や地や水のサインのスターも素敵ですが、火のサインには「一瞬で見ている人を変えてしまう」速攻パワーがあって、牛でも馬でも人力車でもなく、飛行機かロケットで離陸していくトリップ感があるのです。
マドンナにしてもガガにしても、アーティスト自身が巨大企業です。自らが巨大になっていくプロセスの中で、巨大な闇を見つめてきたはずですし、闇の力を借りなければ実現ではなかったこともあったはず。彼女たちの「感化する力」はクリーンなものですが…この事態になって、彼女たちが思うことを想像します。マドンナはライヴである曲を歌うとき「私たちはみんな同じ船に乗っていて、沈むときは一緒よ」と言うそうです。その船は、もう沈みかけているのでしょうか…まだ希望はあります。マドンナもワクチン開発のためにビル・アンド・メリンダ・ゲイツ・ファウンデーシヨンに100万ドル(1億1000万円)の寄付を行っています。
もうひとつのファイヤー・サインである射手座のシンガーといえば、テイラー・スウィフトが代表格でしょうか。彼女もつねに炎上していますね。78歳で現役シンガーのディオンヌ・ワーウィックも射手座で、一時期破産のニュースが飛び込んできましたが、今もドラマーで歌手の息子さんとコンサートを行っているようです。射手座のピッチの良さは超人的で、フランク・シナトラの声にもそれを感じますね…。
80年代、90年代、00年代のエンタメは巨大な富も象徴しています。この世界の豊かさのほとんどは、先送りにされた過去の借金から出来ているのだとしたら、コロナで破裂した経済は、この先同じものを作れなくなっていくかも知れません。それでも、ファイアーサインの女たちは不屈です。ガガが呼びかけたチャリティライブは先程~午前3時からスタートしており、午前11時まで続ききます。
one world together at home
(amazon prime他で視聴可)

