受験戦争開戦からおよそ二週間が経った。今のところ大きな戦闘は無く、第二師団は表向き穏やかな日々を過ごしていたのだが…
「こんにちはーっ」
「……」「……(会釈)」
(…無視か)
ツバサが訓練場に入ってくるも、誰も挨拶を返さない。そう。今彼らの前には「コミュニケーション不足」という大きな壁が立ちはだかっていた。
カレンとミナミの女子二人組はよく休憩時間に楽しそうに話している。もちろんほかの第二師団のメンバーも必要があれば話すのだが…
(会話したほうがいいのか?)(話題が無さすぎる)(そもそもこいつらとの関係性って何?)
とにかく彼らは互いの距離感を測りかねていた。同じ訓練所で二年過ごしたのならもう少し仲が深まってもいいものだと思うかもしれないが、無関心無干渉が基本スタンスの彼らは急に「これからしばらくここで暮らす」と空母の中に放り込まれても会話などできないのであった。
だがしかし彼らとてコミュニケーションの重要性は理解している。情報網からの孤立は戦争においては即、死につながる。裏切りや謀略を防ぐという意味でも周りとコミュニケーションをとることは必須事項であった。まぁ、もちろん理由はそれだけではない。これから半年以上にわたって共に戦う仲間のことを知りたいと思うのは、当然の感情だ。仲良くなりたい、などというのは恥ずかしいが、そういった類の感情であることは正しかった。
受験戦争の兵士たちには、空母艦の中においてそれぞれ自室が割り当てられている。一般兵なら五人部屋、艦長や隊長クラスになると個室が与えられる。戦闘用の船の中なので客船ほどの快適さは要求できないが、それでも個室は個々人の好みである程度カスタマイズが可能であった。
夜中の八時ごろ。シャワーを浴びてきたリョータが自室に戻ろうとすると、部屋から出てくるツバサとすれ違った。
(あぁ…そういやこいつの部屋隣だったな)
ドアが閉まるその直前、リョータはツバサの部屋に貼ってあるポスターに目を止めた。
がたん、と重たい音がしてドアが閉まり、ツバサが鍵を閉める。リョータは思わずツバサの横顔に声をかけた。
「あのさ、あのポスター…わりい見えちまったんだけど…あのゲームお前もやってるの?」
ツバサがはっとして顔を上げる。その表情の奥の心が読み取れず、(しまった、やらかしたか…)とリョータは思いかけた。しかし。
「…やってる。めちゃくちゃ面白いよな。今ランクどこ?使ってるブキ、なんだ?」
ツバサはリョータの問いかけに答えた。年相応に少年らしく目を輝かせて話すその様は、普段のリーダーシップに満ちた姿からは思いもよらないほどに普通だった。
「ランクは…たしかこの前下がってS。でも最高はXだ。ブキはローラーばっか使ってる」
「ローラーか!いいな。俺チャージャー。竹筒銃がさ、超かっこいいよなあれ。」
「わかる」「わかるか」
そこまで話すと、珍しく興奮してしまったことが恥ずかしくなったのか、ツバサはうつむいた。
「…うん。じゃあ、俺シャワー浴びてくるね」
「おう。…水出し始めた時、最初めちゃくちゃ冷たいから気を付けて。」
「わかった、ありがと」
カップラーメンも作れないような短い会話だったが、リョータはツバサと、本当の意味でただ単純にコミュニケーションが取れた気がした。こんなくだらない会話がうれしくて、小さく鼻歌を歌いながらリョータは自室のドアを開けた。
「ね、む、い」
キラスケは自室のドアのところで倒れていた。『数学』の補修がやっと終わって現在24時。夏の湿気が暴力的に人々のライフを削る熱帯夜である。空母艦内の空調は優れているとはいえ、換気しながら完璧な空調を保つのは無理がある。キラスケも額に薄っすら汗をかいていた。
今まで22時には眠る健康的生活を送ってきたキラスケにとって24時になってもまだ歯磨きさえ終わっていないというのはかつてない緊急事態であった。当然頭は燃料切れ寸前、自室に帰って寝なければならぬという気力のみで階段を上がりここまでたどり着いたのだが…どうやら限界だったようだ。ついに起き上がる気力すらなくなり、這うようにしてじわじわと進んでいる。
半分寝ながら机の上に手を伸ばした時、開きっぱなしだったノートに手が触れた。
「……書くか」
深夜テンションという奴である。眠くて眠くて仕方ないのに、キラスケはなぜかペンをとってしまった。
2020/7/7
七夕だってよ!
あちこーこ。マジでそークレイジーあちこーこーデイズが続く今日この頃ですがエビバディ元気?暑いからテンションも狂うよね
今日は地獄かってくらい数学があったよ。マジ死んだんじゃないかと思った。今も思ってる。
眠い!ねさせろ!
2020/7/8
はーねみねみ ねむいねむい
なーんも言うことねーわこりゃ 今日もハッピーでした 今日は体育でキックベースやったよ
あ~ねみねみ プール入りたかったな~
2020/7/10
今日はねえ 定期テストだったよ 平方根の±書き忘れるとかいうアホミスやらかしたよ アホだね
アキレウスの声でかすぎて敵の悲鳴聞こえんの草
あーなんか知らんけど太った しょんぼり おやつカルパス四つも食うからだよお前は
訓練に行かねば。
2020/7/11
クソでかい声でヘドバンしながら歌うと元気が出ます(体験談)
転落人生を歩むニトリのおじさん
「あきらめきれない夢を追う私の姿に 周囲の目は冷たいが」「Nウォームはあたたかい~♪」
「家は燃えて熱いが」「Nクールはひんやり~♪」
「夜の公園は寒いが」「Nウォームはあたたかい~♪」
「目頭は熱いが」「Nクールはひんやり~♪」
「死ねなかった朝の空気は冷たいが」「Nウォームはあたたかい~♪」
なんやこれ
2020/7/12
この前ドラマで自殺を疑われるような事件が起こってて、現場見てるときに刑事の一人が「でも洗濯物を残したまま自殺するでしょうか?不自然ではないですか?」って言ってたんだけど、逆になんで律義に洗濯物を干し終えてから死ななあかんの?死はいつでも突然なんだよ
メモ 忘れずにノート買う
てか第三志望の説明会の申し込みが今日あったんだけどね、一瞬で終わった(らしい)友人曰く1秒かからなかったんじゃないかと。
ちょ。やばすぎ。大爆笑案件。
2020/7/16
「今後とも よろしく」と君が言ったから 七月十六日は ゴリラ記念日(字余り)
あらすじ:バルバトスからむしった呼符を使い因数分解しながら片手でガチャを回したら金回転からのクソバカバスター太陽ゴリラのお出まし
なんなん?俺がお前のことを大変苦手としているっていうか六章のトラウマが抜けきらないことをよく知っての上で?何も考えずに回したら金回転来てうぉぉぉおお!?ついに新シンか!?と思ったら憎しみのあまりすっかり覚えきってしまった顔を見るテンションジェットコースターされた俺の気持ちにもなって
ばーか!お前にやる種火何てねーよ!全部すまないさんに回してるんだばーっか!とは言いながらNPチャージが便利だから槍周回のためにも育てるしかない…悔しい!
べ、別にあんたが嫌ってわけじゃないんだからね!
誰も得しないツンデレをやめろ
2020/07/22
昨日はうなぎを食った 美味かった
そして人理修復完了
こんな時に限ってめちゃくちゃ四コマのネタ思いつくんよな
塾ちょっと寒い
てか前回書いてから一週間近く経ってない?まぁいっか
明日から地獄の夏期講習です。がんばるね。
7月も終わりに近づいたある日。第二師団のメンバーは講堂に集められていた。
第二師団の司令官であり顧問である伊吹上官が、全員が集まったのを確認して口を開く。
「俺から君たちに伝えることはただ一つ。会敵だ。」
その言葉を証明するように、遠くで空砲の音がした。