娘は、姑のことを
「おばあちゃん」
ではなく
「か~さん」
と呼ぶ。
・・・正確には
「か~しゃん」
と聞こえるけど。
私はこの呼び方が気に入らない。
娘が大声で
「か~しゃん!」
と呼ぶたびになぜか寒気がする。
私の耳が・・・体全体が拒否反応を起こすのだ。
なぜ、こんな呼び方をするようになったのか。
旦那は自分が母親を
「おか~さん」
と呼ぶからだと言う。
でも、それは違う。
それなら私の母親のことも同じように呼ぶだろう。
理由は簡単だ。
姑が娘に刷り込んだのだ。
ことばが増え始めた娘は大人のマネをするようになり、
確かにはじめふざけてパパが呼んだ後をマネて
「か~しゃん!」
と呼んだ。
姑にはそれがたまらなくうれしかったのだろう。
そりゃあ、
「おばあちゃん」
より
「か~しゃん」
の方が聞こえは若くて良い。
次の瞬間、
姑は娘を抱き上げて耳元でささやくように
「か~しゃん、か~しゃん」
と何度も何度も呪文のように刷り込み始めた。
・・・その光景は私には異常の何物でもなかった。
素直な娘の頭には見事に
「か~しゃん」がインプットされたのだ。
ちょうど出産で帰省していた義姉が察してやめさせてくれたが、時すでに遅し。
「か~しゃん」
と呼ばれるたびに姑は至福の笑みを浮かべる。
自分の母親がうれしそうにしているのを微笑ましそうに見る旦那。
その笑みを見るのも気分が悪い。
旦那にはそれとなく呼び方が不快なことは伝えてみた。
気を遣ってくれるのはわかるけど、
「おばあちゃんだよ」
と訂正することはない。
「ことばの意味がわかってきたら違うってわかるでしょ」
のん気に言う。
私はそれ以上強くは言えなかった。
旦那も悪気があるわけじゃなく、純粋に母親が喜んでるから良いと思うのだろう。
・・・もし、姑ではなく、私の母親のことを
「か~しゃん」
と呼んでいたら、こんなに複雑な気持ちにはならなかっただろう。
まあ、私の母親は自分は「おばあちゃん」だとしっかり自覚していて、
甥っ子にも「ばあば」と呼ばせているので刷り込むことはないのだけれど。
義実家に帰るたびにどんどんどんどん不満が溜まっていく。
「私はおか~さんで、ママはママよ」
と意味不明なことを娘に笑顔で言っている姑が理解できない。
「か~しゃんじゃなくておばあちゃんでしょ!!」
と姑の前で言ってやりたくなるが、さすがにそれはできない。
たかが呼び方。
呼び方にこんなに不愉快になっている私は心が狭いのだろうか・・・?
きっと何も考えずにさらっと聞き流しているのがいちばんなのだろう。
でも、どうしても、どうしても嫌で嫌でたまらない。
どうしたらいいんだろう。
このままぐっとガマンするのが嫁というものなんだろうか・・・。