本日、私の目に飛び込んできた訃報。
声優の田中一成さんが49歳の若さで亡くなられたというものでした。


私の宇宙好きの原点は15・6年程前に幸村誠先生の「プラネテス」と出会ったことから始まるのですが、当時の私は空間喪失症にかかった後のハチマキそのもののような、ものすごく尖って他人を信用せず近づくものすべてと自分自身をも傷つけるようなそういう人間でした。
 

ちょうど私の人生で最も大切な仲間に出会えた時期でもあり、そこで出会った当時の恋人に進められた一冊でもあり、この作品によって世の中のものの見え方とか、人と人の繋がりとか、愛とか、そういうものが大きく変わりました。


この作品は私にとってのバイブルのような作品で、アニメ化した際にも、何度も何度も繰り返し見ました。その主役のハチマキを演じられていたのが田中一成さんです。
 

現実と理想が乖離している状態でもがき続けるハチとか


愛だの仲間だのクソくらえと思っていた怒りで満ちたハチとか


すべてを悟って他を排除し己だけを見つめて生きていこうとしたハチとか


宇宙のつながりを感じて周囲からの愛や優しさを素直に受け取れるようになった、慈愛に満ちたハチとか


そういう、私自身を投影していたハチの叫びや苦しみや怒りや愛に命を吹き込んで代わりに叫んでくれた(と感じた)のが田中一成さんのハチでした(※勿論、私はまったくのただのいちプラネテスファンです)。


今日訃報を知ってからビックリするほど何も手につかなくて、一成さんに向けてのコメントとか読んでは涙が出てきて、上に書いたようなことも思い出して、自分の心にこんなに「ハチが住んで生きていたんだな」と自分自身に驚きました。


田中一成さんのハチは、人間的な色気に溢れていて、生っぽくて、本当に本当に大好きでした。


mixiをまだやっていた頃、プラネテスというどれだけ素晴らしい作品に出会えたかとか、この作品のおかげでどれだけ人生が変わったかとか、アニメがどれだけ面白いかとかを日記に綴っていたのですが、何と田中一成さんご本人が何度も読みにきてくださって、『めっちゃプラネテス好き過ぎですね!(笑)』とコメントをいただいたことが凄く嬉しかったことを覚えています。


帰ってきて、何話が良いかな、と考えながら、献杯をしながら最後の25・26話を見返しました。ハチは、木星へ旅立ちました。
 

また、会いたくなったら、プラネテスの中のハチに会いに行きます。


田中一成さん、ハチを演じてくださって本当に本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。おやすみなさい。