初めて聴いた時のインパクトと言ったらなかった。
これまでも、ロックンロール的な、この世の中への憤った気持ち、厭世感を歌った曲は腐るほどあるけれど、ここまでストレートに言葉をぶつけてきた歌を聴いたのは私は初めてだ。
「うっせぇわ!」
健全な思春期を体験した人には身に覚えのある、馴染みのある言葉だろう。
私自身も、どれだけ世の中の大人、親や教師たちに心の中で叫んできたか。
そしてきっと、そういう感情を押し殺して感じないようにしてきた人には、この曲はきっと不快だろう。
大人や目上の人の言葉には、口答えすることなく従順に従うこと。
そういう価値観を、何の疑問も持たずに自分の中に刷り込んできた人たちは。
そういう人たちは、自分の考えを持つことは悪いことだと思っている。
いわゆる、模範回答しかできない、優等生タイプの人は。
自分の感情を押し殺してきた人は、逆にその鬱憤が発散できずに、どこかで爆発することになる。
それが、ネットでの誹謗中傷の凶暴性だ。
自分が気に入らない、模範行動から逸脱した人間に対して、叩きに叩きのめす。
自分の日頃の憂さ晴らし、言うなれば八つ当たりだ。
そして、それが、どんなに不健全な行動かというのを自分で分かっていない。
私をイラつかせたあいつが悪い。
正しくないことしたんだから当然の報いでしょ。
不健全なのは、自分の方だという考えに思い至らない。
そういう人間が巷に溢れている。
そういう不健全な社会の中で育つ人間が、健全なはずがない。
それを肌で感じて、「うっせえわ!」と、ストレートに言葉に出来る人間の方がよほど健全なのだ。