そんなときの私たちというのはたいてい焦れる。
焦る。
世間からとりのこされたような錯覚におちいる。
そんなときの私たちというのは、たとえるなら、一歩一歩感覚を踏みしめるように歩いているとき。
足のうらで微細なものをとらえる感覚。
停滞しているように感じるときが、私たちが持つほんらいの流れ。
私たちの通常モードというのは、足のうらを感じずに、とにかく足を前へ前へ出すことに意識が向いているとき。
少しでもはやく、少しでも前に。
歩こうとせずに、つねに競歩やフルマラソンで走りつづけている。
そうすると意識時間ははやく流れる。
はやくはやくという意識が体内時間をおし進める。
どんどん進んでいく。
ムリをしてでも進もうとするので故障もたくさんする。
結果、
はやく年を取り、はやく老け込むという現象があらわれる。