内容は難解で、読み終えるのに難儀したけど。苦笑
正直、私はカルマの概念には懐疑的だ。
けれども、勉強になったことはとても多くて、その中でも「サンスカーラ(潜在印象)」の概念がとても私の中で為になった。
今、手元にあるのが「アシュタンガ・ヨーガ 実践と探求」なので、その中からの抜粋。
〜「感情」とは単に心の形にすぎないのである。
(ほとんどの人は、感情が自分自身だと思っていると思うけど)
感情的になるのは、過去の条件づけに従って現在の状況に反応することを意味する。
感情とは、元々の気持ちが心に潜在印象を残したために生じる、保存された気持ちである。
感情的な人とは、過去の中に存在しているのである。〜
要するに、「感情」とは、自分が過去に培ってきた似たようなシチュエーションでの反応を、今もそのままに再現しているだけだっていうこと。
単なる反復反応。
条件反射的感情。
こういう場合はこう反応するというパターン化の感情。
それは、本当に過去に自分が感じたものかも知れないし、母親や周りの人間たちから学んで真似をしているだけのパターンかも知れない。
こういう場合はこう反応するものだ。
こういう場合はこう思うものだというパターン。
一番分かり易いのは、人が死んだら悲しむものだというパターン。
子どもの頃の私たちには、死というものの概念がない。
死とは悲しいことだという概念もない。
それを、周りの大人たちから学んで身に付ける。
人が死んだら悲しむものなのだと。
死とは悲しいものなのだと。
学んで身に付ける。
それは、本来の自分ではない感情だ。
演じているのだ。
そうやってさまざまに演じ続けている内に、やがてそれが本当の自分のものだと思い込んでしまう
それが自分自身だと。
今、自分が自分だと思っている「自分」は、そういったものが積み上げられて出来上がっているものだ。
つまり、これが嫌い、これが苦手、又はこれが好き、これは許せないと「今」の自分が思い、感じている感情のほとんどが、サンスカーラによって出来上がっている可能性が非常に高いということ。
そして、それらは本来、全てが過去のものであって、「今」の自分には何の関係もなく、何の影響も与えないものであるということ。
だから、本当はトラウマなんて概念も存在しないのである。
トラウマは単なる感情の反復反応。
それが理解できれば、そういった過去の苦しみから自分を解放してあげることができる。