快晴の青空の下、私はどこかを走っている。
周りにも人が何人もいて、中には車椅子のような、自転車のようなものに乗っている人も。
走っていて苦しいとかの感覚はない。
このまま、何の不安もなくどこまでも走って行けるような感覚だった。
目の前に50メートル以上はある大きな道路が現れて、そこを横断し始めた。
もう直ぐ渡り切るという所で、「あ、猫に注射をしなきゃ。渡ってしまったら戻れなくなる」と思い、そこで引き返す瞬間で目が覚めた。
私はマラソンが嫌い。
自分が走っている夢なんて、これまで見た記憶がないな。
人生はマラソンのようだ。
いつでも走っているのは自分の足。
誰かが代わりに走ってくれる訳でもなく、押してくれる訳でも、引っ張って行ってくれる訳でもない。
もう嫌だと駄々をこねても、足を止めても、道草しても、コースを外れても、誰も助けてくれない。教えてくれない。
けれど、周りに走っている人はいる。
偶々、その時の自分の近くを走っていて声を掛けてくれる人。同じようなペースで走っている人。自分が追い抜いたり、追い抜かれたりも。ある地点では、伴走してくれる人も現れるかも知れない。
それでも、基本は自分一人。
常に一人。
最初から最後まで一緒という人はいない。
周りにいる人たちの顔触れは変わる。
走っていれば、周りの景色もどんどん変わる。
変わって行く。
人生ってマラソンのようなものなのかな。
そんなことを思った。