BL漫画です。
「どうして俺は男なんだろう」
ノンケの外川を好きになってしまった嶋の言葉。
「…お前のことを好きなのに。男のお前を好きな自分が嫌なんだよ」
元ノンケの嶋の元彼の言葉。
自己否定して、自分も周りも傷付ける。
切なくて泣けた。
しかし、BL漫画って、言うなれば現代版ロミオとジュリエットだよね。
(単なるエロとかファンタジー?とかは除いて)
現代では、身分差なんていうのはもう普通はないから、その昔の身分差に代わるものが同性愛。
障害のある恋。
結ばれない恋。
悲恋の主人公に感情移入して泣く。
反対に、何の障害も悩みもない、スムーズに進む男女のハッピーエンドな話なんて、読んでても面白くも何ともないだろう。
ドキドキがない。切なさがない。心が揺さぶられない。
心が揺さぶられるということは不安になること。
不安というのは、幸せ感からは程遠い感情。
そう、人間って実は不幸が好きなのだ。
元気ハツラツな人よりも、アンニュイで少し陰があるような人に惹かれやすいように。
不幸な香りに惹かれる。危険な香りに惹かれる。
理性で打ち消していても、本能では。
人間って、実は不幸になりたいのかも知れないな。