お伽噺の行方は Ⅹ‐Ⅶ | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。

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キョーコと想いが通じ合った日の翌日


突然社が血相をかえて蓮の元へ転がり込んできた。



先日から終売案内の漏れや不良品を納品していた業者が突然取引の停止を宣告してきたのだ



正直、こちらとしては取引停止は検討していた。


だが、それに代わる業者はまだ決定していなかった。

目星はつけていたが元々の取引先が大手だったので、種類も価格も流通も今までと同じ条件でカバーするにはまだ足りなかったのだ。



何より、あまりにも突然すぎて・・・一方的すぎる


こんな不条理を受け入れてしまえば今後の他の業者との取引にも関わる



業界は噂が早いのは身をもって知っている。


しかも相手は業界では大手

そこがLMEを切ったとなれば勝手な憶測を呼ぶ


ただでさえ不景気のこの時代、取引する会社の経営状態にはどこの企業も敏感だ。

ヘタな取引をして、相手が倒産や不渡りを起こして契約金を取りっぱくれれば致命傷だからだ


ちょっと噂が立つだけで、すぐに銀行をはじめとして様子を伺ってくる




すぐに二人で取引先に伺い、話を聞いた




担当者は恐縮しながらも、会社の方針だと言った。



「このご時世なので、取引先を見直す事になったんです」


「・・・・・弊社は今まで締め日の入金を遅れた事はありませんよね?」


「ええ・・・それは私も言ったんですが・・・」



言葉を濁す様子は、本当に判っていない様だった。



「その・・・言いにくいのですが、御社は・・・特に敦賀さんは・・・その・・・・今はともかく取引契約をした当時は、あまりいい噂が無かったので・・・その状態で契約を結んだ事を今になって上から指摘をされまして・・・」


ピクリと反応したのは社の方だった



「当時の契約不備だと・・・その、本来なら保証金をもらうべきだったとか、担保をとるべきだとか・・・色々言われまして・・・だから、当時交わした契約書は無効だと・・・」


「・・・・・・・」



コレ以上は無駄だな



蓮はそう判断して、社を影で突っついてその場を離れた。




「一体何なんだ!あの会社は!!」

「まあまあ・・・・それでも、あの当時取引をしてくれた数少ない企業の一つなんですから」

「こっちは何も後ろ暗い事はないし、まっとうに付き合って来たんだぞ!」


社が怒ってくれるので、蓮は自分が平静でいられるんだな・・・・と思った。



思えばいつもそうだった。


ヒルズグループを辞める前も辞めた時も辞めた後も



「・・・・・・社さん、実は気になっている事がありまして・・・・・」






ねえ、君は最初から俺の仕事はまっすぐに見てくれたよね



君は最初から俺の作品を誰よりも喜んでくれた



だから、きっと君に恥じない作品を作り続ける事が俺の誇りだった





昔からね















キョーコは呆然と先ほど自分が歩いて来たバージンロードを歩いてくる蓮の姿を見ていた。


幻聴だと


幻だと



だって彼は真っ赤なバラの花束をもって歩いてきて・・・・現実だなんて誰が思う?!



・・・・・・と



散々思ったけど、一瞬凍った場の空気と


すぐにざわめきだす会場の空気が彼の姿が現実だと教えてくれた




「・・・・・・ウソ・・・・・」



どうしてここに、なんでここに




困惑する参列者など、全く気にせずに蓮はスタスタと新郎新婦の・・・尚とキョーコに向かって歩いてきた。

話が出来る距離まで来て、未だショックから立ち直れないキョーコの姿をジッと見る。


少し型は古いが、見る人が見れば超がつく逸品だと判るドレス


しかもウェディングドレス



・・・・・・・かなり不本意だけどとてもよく似合っていて・・・・綺麗だ。



判ってはいたが、実際に着ている姿を見て、はぁっ・・・とどうにか感情を抑え込もうとした



「全く君って娘は・・・・・」


「あ・・・・の・・・・え・・・?」



本物?


現実?


未だ混乱するキョーコを他所に、蓮はもう一度わざとらしく溜息をついた。

あえて呆れた声を出さなければ、怒りでどうにかなってしまいそうだ



「やり直ししてもらうから」


「は?ナニヲ・・・」


「初めての夜に決まっているだろ?目が覚めたら腕の中に君がいなくて、どれだけ不満だったと思う?なのに、勝手に帰るどころか他の男との結婚式に向かうなんて・・・そんな余裕があるのなら初めてだと思って手加減しなければよかったよ」



「・・・・・・・・・・・・・・ええっ!?」



なんだかトンデモ無い事を言われているのは判って、反射的に奇声をあげていた



そのキョーコの叫び声でより早く立ち直ったのは尚の方だった




「・・・・・・何しに来たんデスか敦賀所長?部下の結婚祝いなら常識を考えて欲しいでデスね?」


あからさまな尚の態度に、蓮はわざとらしく首をすくめた


「常識?こんな茶番が?最初から非常識で出来ているこの場で常識を口にするなら、非常識にならざる得ないね」



ニッコリ笑う蓮が実は見た目ではないと気付いていたのは、おそらくこの場ではキョーコだけだろう


今更だけど判ったいた蓮の怒りに、キョーコは知らず青褪めていった



「君に会うのは二度目だけど、随分と俺の事をかぎまわってくれたみたいだからね。今更挨拶はいらないだろう?」


「・・・・・・・・何の事ですか?自意識過剰では?」



付き合っていられない・・と、尚は近くに控えている式場の係を呼ぼうとした

だが、さっきまでいたハズの係員達がいなくて顔をしかめた


そして蓮の乱入によって明らかに会場はカオスと化していて・・・・・それを見た尚は自分の式にケチをつけられた事に一気に頭に血が上った。


基本自分が一番で、完璧でないと気が済まない性格だ




「お前・・・・・自分が何をしているか判ってんだろーな・・・・タダじゃすまねーぞ・・・・どう責任とってくれんだよ・・・」

 



低い唸るような声に、キョーコは焦った

これでは尚がLMEに何をするか・・・・




だが、そんな尚を蓮は面白そうに眺めていた




その表情は笑っていたが、瞳は冷たく





どこまでも闇を深くしていっていた











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