Gift 5 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。


「いくら君でも、あの会話を聞いていて曲解はしないだろ?というか、曲解しなかったから逃げまわっていたんだろうけど」


「そ・・・・れは・・・」


確かに仰る通りで・・・・・



「でも、俺としても立ち聞きされた言葉で君に伝わるのは酷く不本意なんだ。だから、ちゃんと君に正面切って言わせてほしい」


「・・・・・・・・・・・」



蓮の真剣な表情にキョーコはもう泣きそうになっていた。


聞きたくない


でも、きっと聞かなくてはいけないんだとは判る



だから逃げていたのに



「最上さん・・・・・俺は」

「敦賀さん・・・・・あの・・・」



既に一度聞いてしまったのに、もう一度聞くことさえ怖くて思わず言葉をさえぎっていた。



この期に及んで自分は何を誤魔化す気なんだろう


逃げていたのは


決定的になったら返事をしなければならないから


何かしらの答えを出さなければならないから




脳裏に浮かぶ電話番号とアドレスを書いた紙



どうしてあれを受け取ってしまったんだろう


どうしてあれをまだ自分は持っているんだろう




その答えは結局一緒なんだと知っている





結局まだ足掻いているのだ自分は




絶望して、諦めて、二度と期待しないと誓っていながらも




私は敦賀さんの告白を受け入れられないクセに、「断り」たくなかったんだ





「私・・・二度と恋はしないと誓っているんです・・・」

「・・・・・知っているよ。それは不破の事があったからだよね?それとも、それだけじゃなかった?」


「え?」


敦賀さんの表情が、いつかの時に見たような不安に揺られている表情で胸が痛んだ。

でも、その表情が自分に向けられている事が、敦賀さんの気持ちが理解出来てしまって余計に困惑してしまう。


「久瀬明人」


その名前にビクッとキョーコの方が震えた


「彼との事もあったから?」


「そ・・・れは・・・・」


「彼とはどんな関係だったんだ?不破とも面識があったみたいだけど、あの人も京都にいた頃に知り合ったのか?」


「・・・・・・・・・・・・・・」



何も言えずに暗い顔で俯くキョーコに、蓮は息を吐いて気持ちを落ち着かせた



「ごめん、問い詰めたかった訳じゃないんだ・・・・今日は、ちゃんと君に気持ちを伝え直したかったんだ」



「・・・・・・・・・ッ!」



はじかれた様に顔をあげるキョーコに蓮は努めて安心させるように微笑んだ。

何か言いたげなキョーコの表情にどこまで成功しているか判らないけど


何度も何度も考えて、とにかく一番の優先事項はキョーコを傷つけ無い事、怖がらせない事


そう決めていた


想いがバレてしまった以上、隠す気は無かった


そして先日聞いた会話から、ただ指をくわえてただ見ている気もなかった



だからちゃんと伝えたかった




「・・・・・・俺との事は考えられない?」


「え・・・・・・・・」



「大切にする」


「・・・・・・・・ッ!」


「本気で君を愛している」



「・・・・・・・・・!!!!!!」




もし、これが夜の帝王で言われていたら、とっくに自分は逃げ出していたに違いない。

でも、真剣な表情で言われた言葉に、逃げる事も出来ず目を見開いて固まってしまった。


じわじわと言葉が身体中を毒のように浸食していく



頬どころか、顔じゅう、それどころか身体中に熱が高まっていくのがわかったけど


それすら、どうしようもなくて



気が付いたら涙が頬を伝っていた




「も、最上さん!?」



焦った敦賀さんが慌てて近寄って涙をぬぐってくれるけど



「・・・・ッ・・・ふ・・・・ッく・・・・ッ」



とめどなく涙は次から次へと溢れてしまって




敦賀さんの会話の立ち聞きとか



明人さんとの再会とか



明人さんの言葉とか



敦賀さんの優しさとか



明人さんとの過去とか



敦賀さんの告白とか



自分の抱えていたハズの決意とか




色々なものが混合してしまって、頭が混乱して、自分がどうしたらいいのかわからなくて


「強かった」ハズの自分が崩れていってしまって



「う~・・・・ッ!・・・・・ック・・・ッ」




声をあげてボロボロと涙をこぼす私を、敦賀さんは最初こそ困惑していたけど



そっと抱き締めてくれて、背中をさすってくれた



敦賀さんの体温と、その心臓の音が少し早くて





それがとっても安心できた












翌日、何か言いたげなマネージャーの視線を受けながらも蓮は淡々と仕事をこなしていた。

社は前の晩にキョーコが演技指導に来てくれた事は知っているだけに、何が聞きたいかはわかるが、蓮も報告できる答えをもっていなかった。


結局告白はできた

気持ちは伝えられた


でも・・・キョーコは結局何もいわなかった。


泣きじゃくるキョーコを落ち着かせて、送って行って


YESもNOも無かった



その場で、断られなかっただけ良かったというべきか・・・?



社に心配させると思うと溜息もうかつに付けないが






「蓮、社長が仕事終わったら来てくれってさ」


事務所に電話していた社の言葉に蓮は心当たりが無いだけに、少し嫌な予感がしながら頷いた。











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