【メロキュン☆企画第六弾! 】トキメク心の育て方(前編) | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。

懲りずに今回も参加させて頂きました!



メロキュン☆企画 第六弾!!



今回は「しりとり」です★



第四走者行きます!



『ト』キメク心の育てか『た』です★



では、どうぞ!!!





********





「はい、これ」


渡されたカードキーに、キョーコはキョトンとした。


「本当は先週渡そうと思ったんだけど、一枚一枚に認証コードの登録が必要で、セキュリティー会社経由で申請しないと送ってくれなくて、時間がかかっていたんだ」


ごめんね。と笑う敦賀さんと、手にあるカードキーを交互に見て、ふと先日撮影したドラマの内容を思い出した。


・・・・・・それが、いけなかった・・・・・と思う。



つい口に出た台詞は、敦賀さんの大魔王降臨の呪文となった。








「蓮くん~?ボクの記憶が正しけば、君は昨日まで頭にお花が咲いていたハズだけど~・・・・」


朝から不機嫌いっぱいの俺の様子に、マネージャーは顔をひきつらせて聞いてきた。

それはそうだろう。


散々担当俳優をからかいおもちゃにしてきたこのマネージャーは、先週やっと俺が最上さんと気持ちが通じ合い、いわゆる恋人関係になった事に対して、その辺りの女子校生よりも高いテンションで接してきていたのだから。

俺も、「頭に花が咲いていた」状態だったから、今まで苦労をかけた社さんのそんな態度にも余裕を持って答えていられた

そう・・・・昨日までは・・・・・。



「喧嘩しました」


「・・・・・・・・誰と?」




誰とと聞くけど、俺が・・・「温厚」で「紳士」の「敦賀蓮」が喧嘩する相手なんてものすごく限られている。

その内の一人であるかもしれない社さんが違うのなら、後はあの某歌手と・・・



「まさか・・・・キョーコちゃんとか言わないよな・・・」


「はい。そのまさかです」


まだ少し不機嫌さがおさまらない俺は隠すことなく頷いた。

というか、自分には珍しく「愚痴りたい」という欲求があった。


今回の事は・・・俺が悪いのか?!


一晩考えても・・・なんというか、理不尽さを感じてしまうあの台詞・・・・

その前に浮かれていただけに、余計に感じてしまう失望感。

わかってはいたけど、それとこれとは別で・・・・・


いま思い出しても・・・正直気持ちがやさぐれてしまう。







長い間、片想いだと思いこんでいた最上キョーコと、実は両想いだった事が発覚したのが1週間前。


しかし、お互い忙しいスケジュールの為すぐにカップルよろしく甘い雰囲気を謳歌できる訳も無く、取り敢えずお互い夢では無かったと確認しあうように電話だけの日々が続いていた。


しかし、恋愛初心者のキョーコと電話で甘い雰囲気になる訳もなく。

ほとんど事務的な報告で終わってしまう日々に、これではいけない、と蓮が思ったのも当然で、キョーコの「敦賀さんは忙しいですから仕方ないです」という台詞をこれ以上聞きたくなくて、大急ぎでカードキーのスペアを用意した。

今までは大抵事務所で落ち合って一緒に蓮のマンションへ行っていたが、スペアキーがあればキョーコと予定を合わせなくても、マンションで会う事が出来る。

今までよりは会いやすくなるハズだ。


そう思い、カードが届いてすぐに、ギチギチのスケジュールの中でどうにか時間を捻出して、スペアキーを渡しにラブミー部の部室へ行って、キョーコに渡した。


確かに自分は浮かれていた。


早く渡したかったし、彼女も喜んでくれると思っていた。



だけど、説明の後カードキーを渡してじっとそれを見た後に彼女が言った台詞は




「じゃあ、別れる時には返さなきゃいけないんですね」





ピキリッ






「・・・・・・・・・・・・・・・何。ソレ?」







最上さんも自分の失言に気付いたのか、単に俺の態度が怖かったのか・・・ハッとして一気に青ざめていったけど、湧きあがってくるイライラを止める事が出来なかった。



「最上さん、俺と、別れたいの?」



地の底から這うような声になっている自覚はあった。

怒りが隠し切れていない自覚も


「い・・・・・ッ!いえ!そういう訳では・・・・ッ!」


「でも、そういう意味にとらえてもおかしくない台詞だったよね」


「えと・・その・・・言葉のアヤと言いますか・・・つい・・」


「ついって?つい口に出てしまうぐらい考えていたって事?」


「・・・・・・そういう訳ではありません」


「じゃあ、どういう訳で付き合って1週間で別れるという考えが出る訳?」


「ですから、それは、たまたま・・・・」


「たまたま・・・・何?」


「別の事を考えていて・・・」


「別の事?俺が今目の前にいるのに?」



最上さんも段々口調が固くなっていくのが判ったけど、そんな彼女の態度も俺のイライラを煽るだけだった。

第一、あの日から1週間もたつのに彼女の口から「会いたい」という類の言葉は一度も出なかった。

俺は会いたくて、会いたくて・・・この短い時間でも会えて嬉しかったのに、彼女は嬉しくないのか?!

挙句に「別の事」を考えていた?


お互いヒートアップする応酬に、最上さんも明らかにムッとしだしてきた。


「敦賀さん、先ほどから揚げ足ばかり取らないで下さい」


ネチネチとしつこいです!



「なッ・・・!」



付け加えられた言葉に、場の雰囲気は最悪なものになった。




結局、直後に俺のタイムリミットが来てしまい、何とも言えない雰囲気のままラブミー部を後にすることとなったのだ。












「お前は馬鹿か!」


事の顛末を聞き終えると、俺は呆れた表情で蓮に思わず怒鳴っていた。


「あのな、付き合い始めのこの時期は蜜月っていうんだぞ?倦怠期だって3カ月まってくれるのに、なんでお前らは1週間で喧嘩しているんだ!」


「でも、それは最上さんが・・・・」


「あのなぁ、お前はキョーコちゃんよりも4つも年上だろうが。その辺りは大人の心で対応してやれよ。何、失言の一つで目くじらたてているんだ」


尚も言い募ろうとする蓮に、俺は思いっきり呆れるしかない。


キョーコちゃんも、仕事が絡めば蓮を立てるけど、本来思った事はハッキリ言う子だし、それこそ最初の頃の二人を知る身としては喧嘩自体は珍しい事では無かった。


だけど、今回は犬も食わない痴話喧嘩


そりゃあ、その「敦賀蓮」には程遠い、不貞腐れた表情は可愛いと思うよ?

年相応な態度を見せてくれて嬉しいよ?


でも、キョーコちゃんにそれをぶつけてどうする。


キョーコちゃんはしっかり者だけど、まだ高校生。

明らかにお前がエスコートをする立場だろ!



それに普通は彼女の怒りポイント・・というか台詞だろ。ソレ。

要は「自分の方が好きの気持ちが強い。自分ばかり好きみたいだ」という状態に拗ねている。


こいつその内「仕事と俺どっちが大事なの」的な台詞を言いそうだ。



「・・・・・言いませんよ。そんな事」


「それに近い台詞だよ。俺と琴波さんどっちが大事なのとか」


「・・・・・・・」


沈黙する蓮にオイオイ・・・と思うが・・・・



「おまえがそんな乙女思考でも、キョーコちゃんは最近までトキメキ不感症、枯れ果てた恋心の持主だったんだ。お前と同じモノを要求するな、期待するな、そしてそれを押し付けるんじゃない」



少しキツイ言い方になってしまったけど、そこは心を鬼にして言った。


じゃないとこの二人、見事交際が始まったのに、前途多難すぎる。


今までの蓮の嫉妬はこいつが「事務所の先輩」という立場を隠れ蓑にしてぶつけていたから、キョーコちゃんも全て素直に受け入れていたんだ。


それを仕事を絡ませず、恋愛という対等の立場でやっていくんだ。

お互いが歩み寄らなきゃいけないし、どちらかに無理に合わせていたらすぐに無理がくる。




俺にとっても大事な二人だから、おせっかいと言われようが見守りたいし、上手くいって欲しいんだ。




「とにかく、早く仲直りしろよ」





恐らくまだわだかまりを抱えている様子の蓮に、とりあえず一番大事な事を伝えた。













その、同時刻





「アンタ、馬鹿!?」


ラブミー部の部室でシュンっとうなだれるキョーコに、奏江が同じ話を聞かされて、思いっきり怒鳴っていたのだった。

















メロキュン企画です・・・・。誰が何と言おうとメロキュン企画のお話です!・・・・・・・すみませんでした(土下座)