” 裁量労働について”夫が裁量労働になってから | 夫は心を病むイクメン 鬱は人生のスパイス 美味しい人生になりました

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結婚10年目のプレゼントは鬱病だった。
鬱の夫との日々をふりかえります。

久しぶりの投稿です。
 
当時を思い出す記事を夫が書いていたので、そのときの妻の気持ちを書こうと思います。
 
 

 
わたしは看護師だから、
一般企業で働く人とはいろんな意味で違うことが多い。
就活も、それほどハードルは高くなく、自分を見つめるというよりは働きたい病院を見つけることに力を入れた。
引く手数多な業種だから。
 
労働条件などについても疎かった。
 
言い方は悪いけれど、看護師ってそういう面では浮世離れしているところがあると思う。
(あくまでもわたし個人の見解なので、ここは突っ込まないでください)
 
裁量労働って、何??
 
そんな感じ。
 
 
ちょうど、マクドナルドの名ばかり店長問題が起きていたときだった。
 
なんとなくわかったことは
 
・夫が試験をうけること
・基本給はあがること
・残業代は20時間分に減ること
・休日出勤も増えるかもしれないこと
・扶養手当が0になること
・初めは少し収入が減ること
・何年か後には収入は今より多くなること
 
だった。
 
給料とお休みのことだけ。
 
仕事における立ち位置とか、責任とか、評価基準などについてはほとんど知らなかった。
 
 
裁量労働になって、いいことって・・ない!!
 
という印象。
 
ちょうど裁量労働になった直後に夫は異動。
 
そして、3人目を妊娠発覚!
 
 
帰りは遅くなるし、休日は出勤するし、扶養手当はでなくなるし…
3人目が生まれても扶養手当がない。
 
(それまでが恵まれていたのかもしれませんが)
 
身体もしんどいし、話したい夫はいないし…
 
裁量労働になったんだから、朝つわりがきつい日はゆっくり出勤してほしい!!
と懇願した日もあったけれど、
一度だって、そうしてくれなかった。
…できなかった…という表現の方が正しいかも。
 
異動によるストレスに加え、
昇級したことによる、立場の変化、プレッシャーもが夫を襲っているなんて知る由もない。
 
だって、わたしは
給与の変化と自宅にいる時間の変化しか知らなかったから。
 
 
もし、このとき、
 
夫の職場における様々なストレスを想像する余裕があれば・・・
 
「うつ」になるまでに、助けることができたか?
 
と自問したこともある。
 
 
おそらく・・
 
結果は
 
 
NO
 
 
なるべくしてなったんだと思う。
 
でも、発病する前、夫の弱音をもっと優しく受け止められたんじゃないか?
 
とは思う。
 
 
 
「弱音」を否定せず、
「がんばらなくていいよ」っていう言葉くらいはかけられたかな?
 
夫がもっと早い段階で「ギブアップ」できるようにはできたかもしれない。
 
という、後悔ににた気持ちもある。
 
「何で、こんなに家にいないのに、収入減るのよ!!」と夫のせいじゃないのに、ブツブツ言ったこともあったくらいだ。(恥ずかしながら)

 

 
裁量労働制がいいかどうかはわたしにはわからない。
 
裁量労働制になっていたおかげで、
発病後の有給消化期間は「みなし残業代」も支給されていたし、
ボーナスや傷病手当金の支給額は以前の職級に比べれば、かなり多くいただけていたから。
 
 
裁量労働制をうまく活用できず、マイナス面ばかりを受け取ってしまい、発病したけれど、
 
裁量労働制に助けられた面もある。
 
 
今の夫は裁量労働制のままであり、みなし残業20時間以上の残業をしている。
 
一見、あの頃と変わっていないようにも見えるけれど、
 
今は苦痛そうではない。
 
多忙な時期も「やりがい」を感じ、生き生きしているようにもみえる。
 
ただ、本人は苦痛でないにしても、労働時間が長くなったり、出張が続くと
 
様子は変わる(これは、妻であるわたしだから気付くレベル)
 
だから、どんなに充実していて、仕事が好きでも…
 
「体は休ませないといけないよ」
 
一番はやりがいではなく、心身の健康だと思うから。
 
 
今は「ちょっと休んだほうがいい」というわたしの意見に耳を貸してくれ、
「休む」ようになっているし、
職場でも「抱え込まない」ようになっていたり、
「一番はじぶん」だと割り切って、
 
いい意味での「裁量労働制」の下で働いている夫だと思う。
 
大切なことは
 
裁量労働制がどうこうではなく、
 
職場そのものに「ひとりの人間のいのち」を大切に思う愛情があるかどうかだと思う。
 
大切な従業員を「いい小間使い」「ひとつの歯車にすぎない」と考える職場なのか、
 
「財産」だと考えるかの違いなんじゃないかなと思う。
 
あくまでも浮世離れした、主婦の意見であるけれど。