明治の作家、伊藤左千夫(いとうさちお)の作品「野菊の墓」の舞台となった「矢切の渡し」周辺を散策してきました。15歳の政夫と17歳の民子の純愛は、奉公人のお増(ます)や兄嫁(あによめ)の嫌(いや)がらせ、政夫の母の反対により悲恋に終わったのでした・・・

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   ↑「野菊の墓」(新潮社版)の表紙です

 

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京成柴又駅を降りて「野菊の墓」の舞台となった千葉県松戸を目指します。

 

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寅さんでおなじみのお寺「柴又帝釈天」(しばまたたいしゃくてん)の門が見えてきました。

 

中には入らないで左折します。

 

これから、東京都と千葉県の間を流れる江戸川を手漕(てこ)ぎ舟で渡ります。

 

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江戸川の土手に出ました。

この土手を降りて直進すると東京側の「矢切の渡し」の船着き場があります。

 

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「矢切の渡し」に着きました。
岩に「矢切の渡し」と刻(きざ)まれています。

 

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乗り場から見た江戸川の流れです。川幅は150メートルほどです。

「矢切の渡し」は、5分ほどで対岸に到着します。


江戸川を渡り千葉県(松戸市)側に入りました。
土手の上からの眺(なが)めです。

 

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土手の上にある「日本の音風景100選顕彰碑」(けんしょうひ)です。

残したい“日本の音風景100選”に「柴又帝釈天界隈と矢切の渡し」が認定されたことを記念して建てられた碑(ひ)です。

 

ブログ中の「<メモ>」は、面白くないのでスルーしてください(笑)

 

<メモ> 日本の音風景100選
環境庁は、「将来に残していきたいと願っている音の聞こえる環境(音風景)」を公募。全国で100カ所の「音風景」を認定しました。
音風景の概要(松戸市ホームページ)
 川面をすべるように対岸に向かうギーッ、ギーッと舟を漕ぐ櫓(ろ)の音、そして春はヒバリのさえずり、夏のオオヨシキリのやかましく鳴く声、冬にはピーピーと鳴くユリカモメなどの声が聞こえてくる。四季を通じて、多くの野鳥たちが集まってくる都心に近いオアシスです。

 

この辺り、「生きててよかった」と思うくらい心地良い風が吹き抜けてゆきます。

 

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土手を降りました。
辺り一面、畑が広がります。手前は、トウモロコシのようです。

 

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坂川(さかがわ)に架(か)かる「矢切橋」にやって来ました。
橋のたもとにある「野菊の墓」の碑(ひ)です。目指している「文学碑」とは別物です。

<メモ> 碑の内容です(部分)
……まア綺麗な野菊、政夫さん、私に半分おくれッたら、私ほんとうに野菊が好き」
 「僕はもとから野菊がだい好き。民さんも野菊が好き……」・・・ 「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」
・・・

 

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坂川(さかがわ)と矢切橋に架(か)かる「欄干」(らんかん)です。

 

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「欄干」に嵌(は)め込まれている渡し舟と、野菊の彫刻です。

 

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「野菊の墓文学碑(ひ)」は、この高台の上にあります。

 

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「野菊の墓文学碑」です。

<メモ> 碑の内容()部分
僕の家というのは、矢切(やぎり)の渡(わたし)を東へ渡り、小高い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。
崖(がけ)の上になってるので、利根川は勿論中川までもかすかに見え、武蔵一えんが見渡される。・・・村はずれの坂の降口(おりくち)の大きな銀杏(いちょう)の樹の根で民子のくるのを待った。・・・

 

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陸橋を渡って、隣の「野菊苑」に行ってみます。

 

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「野菊苑」といっても、小さな公園です。
眺めが素晴らしいです。
今見てきた文学碑の一節が浮かんできます。

「僕の家というのは、・・・崖(がけ)の上になってるので、利根川は勿論中川までもかすかに見え、武蔵一えんが見渡される。」


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高台を降りて、元来た路を戻(もど)る感じで歩きます。
「野菊のこみち」という表示があるのですが・・・
訪れた季節が悪いのでしょうか、野菊らしきものは咲いていません・・・

 


〔コメント〕

〇「野菊の墓」の愛読者でない人にとっては、それほど感動するところではありません。(私見)

 

〇 渡し舟、広い空、どこまでも続く畑、そよ風・・・高層ビルの林立する都会の生活に疲れた方にはよいかもしれません。
 極彩色のインスタグラムにチョッピリ疲れた方にもよいかも?(笑)


〔メ モ〕
「矢切の渡し」
<主要アクセス>
 京成金町線京成柴又駅より徒歩約10分
<運航間など> 2019年07月現在
 夏季:毎日運航10:00~16:00頃
 冬季:土日祝日、庚申の日のみ運航10:00~16:00頃
<料 金>

 大人片道200円

 

 

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  繰り返される「日常」・・・
   ふと、自然の息吹(いぶき)を

   感じたくなることありませんか
  遠くて近い・・・

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