朝目覚めると
案の定雪が舞っていた。





雅)やはり、、だったな、主。

ロイヤル)今日は一日中
雪なんだろうね。


晴れればすぐに
溶けそうな
春の雪.☃︎.'.°☽






春の雪で思い出した映画があります。

三島由紀夫原作
2016 行定勲監督作品。

主演は竹内結子と妻夫木聡。



今は没落した
由緒正しい公家の綾倉家。
ここへ 成金でのし上がった
松枝家の清顕は、
幼少の頃から預けられ、
綾倉聡子と共に育てられる。

綾倉伯爵は
聡子の侍女 蓼科に、
常日頃こう言うのであった。
『将来、聡子の縁談を
松枝が世話するであろうが、
決して生娘のまま嫁がせてはならぬ。
それこそが、私の松枝に対する復讐なのだ』


19になった清顕は毎日を鬱屈して過ごし、
聡子はそんな清顕に
『自分が清顕さんの前から
突然いなくなったら、
貴方はどうなさるの?』
と聞くのであった。


二人の関係は
幼なじみを超えて、普通であれば
すんなり夫婦になって当たり前のはずが、
親同士の確執でそうは行かない。
互いの家は、
ベッタリと背中合わせにしか
生きられず、
なのに
あくまで身分の差は超えられず…。
金銭的には逆転してしまった家同士の
プライドと妬みが
二人の間を拗らせてしまっていた。

物語は悲恋としての
結末を迎えるのですが、
それは淡々と最後まで
美しく描かれています。

さすが行定勲監督。と感じさせる
繊細で妖しく、
儚い男女の恋愛劇を
どこまでも丁寧に描いています。


どちらかと言うと、
竹内結子は気丈で
男っぽい役柄の多い女優。
妻夫木聡はかなり荒削りの
やんちゃなイメージがある
俳優さん達なのですが、

この映画に関しては
そのイメージを完全に覆したな!と
私は思いました。

現在ならこんなはっきりとしない
鬱々した心理劇も、
三島由紀夫の描いた時代背景を
リスペクトするように
丁寧に仕上げた行定勲監督の
秀作として、
印象に残る映画だと思いました。

映画の終盤。
深々と音もなく降り積もる
春の雪。

その雪の中、
『後悔』の二文字では
表しきれない
清顕の涙を、
今目の前に降りしきる雪を眺めながら、

『雪はどこまでも残酷に
人を絶望の縁に追いやる』
のだな〜と
改めて思うのでした。




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