大御影山

あれから1週間


「ああ!待って

 まだ これから咲くの」

タニキキョウが声をだす

 

するとニョイスミレも

私もまだ種になっていないのよ

 

ホオノキは葉を広げたく

うずうずしている

「でも僕が大きな葉を広げたら

 光が君たちに届かないからね」

 

登山道横の岩斜面には オオイワカガミ

なんだか山の上まで続いていそうだ

 

尾根に朝陽があたる

「こっちに来てよ」

と誘っている感じがした

「急登だが登ってみようか!」

そこには

オオイワカガミの群生地があった

葉はひかり輝く

まさに 鏡だ

あなたに会えてよかった

 

寄り道出来る 山歩きは

普段したくても出来ない

今日は 花が呼んだら

そっちに行ったらいい 


 ヤマエンゴサクが

スギ林の手前で ひかり輝いていた

苞葉の形ね

キンキエンゴサク?

 

スギ林が終わり 山への入り口で

ウリハダカエデは花を開きかけて待っていた

 

せせらぎの音がここちよい

ちょっと 寄り道をして

川の横を観察

サンインシロガネソウは3年前より

個体数が増えている感じがした

この地でしか出会ったことがない

 


 

 

この間この子が誰か分からなかった

キランソウか?ニシキゴロモか?

キランソウは

「ランナーのような花茎を出して地表を這う」

とあった

つまりこの子はランナーがないのでニシキゴロモ

 

登山道の横にもオオイワカガミ

 

エンレイソウは花の色が目立たないが

花を付けた姿は気品がある

 

チゴユリ

 

ウスギヨウラク

今日は開いてくれていた

 

トクワカソウは潔く終盤を迎えて

空間を

木々のめばえに

譲り渡していた

 

トクワカソウの上では

もう ブナの葉が展開していた

 

幹の上から幼木が めばえ

 

 

 

森も私達も

ブナの新緑につつまれた

 

たくさんのトクワカソウには会えなかったが

気が付けば 

昨年から 会いたいと思っていた

ブナの芽吹きの中にいた