幼い女の子は
レンガ造りのしゃれた家の扉の前で
たたずんでいる
ワンピースに大きな帽子
その後ろ姿は動かない
呼び鈴を押しても
誰も出てこないの
あなたは
誰を訪ねてきたの
足元に 小さな犬がいることに気がつく
あなたの犬なの
それとも もしかして
迷子の犬を連れてきてあげたの
どうするの
誰も出てはこない
その一枚の絵に 釘ずけになるのは
その女の子が後ろ姿だから
表情が見えないから
幼い女の子は 哀愁を感じさせ
終わらないストーリーが始まった