岬に座って 風に吹かれながら
夕陽を見てた
オレンジ色と茜色が 混ざりあって
海の上の壮大なパノラマに 息を呑む
浮世離れした 自然の中の暮らしが
普通に そこにあり
信号のない道路も沼も山も
旅人を大らかに 迎えてくれた
その夏
計画を大幅に超えて その島で過ごした
人との出会いとふれあい
出会ったばかりの旅人同士も
打ち解けるのに時間はかからない
時を超え
その島に 郷愁を覚えるけれど
再び 訪れる事に 躊躇する
戻りたいのではない
その夏は もう そこにはない
変貌を 恐れているのでもない
その夏は もうそこにはない
何度も旅して
他の同じ場所には 訪れているのに
その島だけは
安易に いいえ 熟考しても立ち入れない
大切な旅の記録を 上書きしたくない