遥かに広がる海原

夕刻の その時の風は優しい

お日さまが 少しずつ 海に沈みゆく

溶けるように

周りをあかね色に染めながら

夜を呼び寄せようとしている

 

ポンポンポン

ポンポン船が すぐ側を通っていった

今日の仕事は もう おしまいかしら

 

暗くならない内に帰らなきゃ

近くの空き地に 

飛び交う 無数のトンボ

目で追いながら

海に 夕陽に 別れを告げた