11月21日の夜。
夜のご飯を食べなかったくま。
その日は便の色も黒く…
私も娘たちも不安でいっぱいに。
長女が取り憑かれたようにさつまいもをゆではじめ「くまに芋あげる!」
食べないよ、きっと…と思いながらも娘の気迫に一緒にさつまいもを潰したりしました。
下の娘も。
結局、これがくまがちゃんと食べられた最後のご飯になったので、3人で少しずつ調理した事、本当に良かったね、と後から何度も3人で話しました。
この日、下の娘と私はくまの舌が白っぽい事に気づきました。
こんなんだったっけ??
さらに下の娘はお腹を触った感じがいつもとなんとなく違う…と感じていました。
おしっこも出てるのに何か違う…そんな事を言っていて、消化器官からの出血があるんじゃないか、と。
とにかく朝になったら受診しようと決めました。
翌日は下の娘は日勤でしたが、私と上の娘は遅番。
朝一で受診すれば出勤に間に合うはず。
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その夜は長女が一緒にくまのサークル近くに寝てくれました。
一晩中、なんとなく辛そうだったくま…
気にしつつも娘が時々体位交換してくれていたので私はうつらうつら…
朝6時頃、娘が「7時まで1時間だけ寝るわ、仕事あるし」と隣の部屋に行きました。
じゃ、私が起きよう、とくまを覗き込むと、
いつもとはやっぱりなんとなく辛そうで。
「くま、辛いの?向きかえようか?」と言いながら体を動かすと、タラタラ…と吐血しました。
褐色でした。
え?とびっくりして “駄目だ、皆呼ばなきゃ!” と思い居間から飛び出しました。
すぐに娘たちも夫も飛び出してきて…
下の娘がくまを抱えました。
私と下の娘はくましか目に入っていなかったのですが、上の娘が離れたところに座り込んでいた夫に声をかけ、
「パパ!こっち来て!くま撫でてあげて!何か言ってあげて!早く!」
夫は呆然としていて、娘に言われなかったら側に来なかったと思います。
この時、4人でくまを撫で、口々に言葉をかけた事は本当に良かったと後からしみじみと思いました。
普段、頼りなく思えてもやっぱり長女だなぁと感じたことでした。
くまはその後は落ち着いていましたが、私達は不安でいっぱいで病院の診察が始まる時間までただ見守るだけでした。
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診療が始まる時間にあわせて長女と一緒に家を出ました。
病院につき昨夜からの様子を話し、血液検査をしました。
結果が出るまでしばらく待合室で待ち…
再度呼ばれて診察室に入ると先生が
「薬はもう止めましょう。前の検査よりぐっと落ちてます。腎不全の末期です。」
と。
おしっこが出てるのは不思議だと言われました。
やっぱり消化器官からの出血で貧血もひどく…。
先生はたくさん話してくれていましたが、「くまはもうだめなんだ」という思いでいっぱいで私は涙で顔があげられませんでした。
娘も泣いていましたが、娘は「先生から見て後どれくらいと思いますか?」と聞きました。
先生は「水分が摂れたら1週間くらいは…」と答え、私は水分が摂れても1週間…それは長くて1週間て事…?とますます涙が…。
先生は「うちに来てから1年くらいですね、よく頑張ったと思いますよ」と。
貧血のことやいろいろと話しを聞き、長く診察室にいたのですが、あまり覚えていません。
会計を済ませて外に出るととってもいいお天気でした。
「もうくまがここに来る事は2度とないね」と泣きながら抱っこしたくまと写真を撮りました。
生きているくまをとにかく留めておきたい、そんな気持ちでいっぱい写真を撮りました。