自分が見ている世界と、それを捕らえている脳を理解したなら、自分の見ている世界がどれほど掴みどころのない実態のないものなのかがわかる。
もし、そういうものだと最初に教わったら、そしてそれが普遍的な常識だったら、それが妄想なのか目に映っている現実なのか、身近な人に尋ねれば簡単にわかる世界だったかもしれない。
頭の中は、素敵なもので満たされていた方がいいに決まってる。と、16歳の私は言う。
素敵な未来と、周りの人たちの笑い声と、家族の笑顔と、好きなあの人の笑顔。微笑む花たちと日に当たってきらめく木々たちと大きな青空と、歌う鳥。虹色に輝くトカゲが緑を張って、風が優しく通る道に私がかけていく。
そんな頭の中だった。
頭の中が素敵でも、それが妄想か、はたまた想像か、目に映る現実か、区別することは必要だったと思う。妄想を生き続けると現実の自分がいつまでもその時に取り残されてしまうから。
私の妄想をお手伝いしてくれる人が沢山いて、私はつい夢中になってしまったのだ。
その結果が今、気づいたら目に映る周りはほとんど、変わってしまっていた。
全部私の頭の中のこと。