一つ下の弟は

目を瞑っていても東大に入れると言われた程

高IQだそうで、それは小学生の時から

いずみも知っていた。

 

 

当時は毎年性格検査と知能検査が行われていて

担任は全生徒のそれらを把握していた。

で、類まれなるIQの割に成績が悪いもんだから

家庭環境に問題がある事を疑った学校側は

教員による監視を始めた。

 

 

放課後突然、弟の担任が訪ねてくる。

家庭訪問は終わったのに、また先生が来る。

時にはスーツを着たおじさんが二人、

同行している時もある。

年に何回も、学年が変わってもずっとだ。

今思うとスーツのおじさんは教育委員会だろう。

 

 

いずみ家にとっては恒例行事だったけど、

この異様さよww!

今でいう児相の訪問じゃんね。

 

だけどこの時、スーツのおじさんが

我が家の異常さに気づいて

小学生のいずみを助けてくれたら

いずみの人生は変わっていただろうな。

その時は意味が分からなかったかもしれないけど

大人になってきっと感謝しただろう。

そして将来はこんな風に

子どもを助けられる仕事をしたいと

思うようになったかもしれない。

 

 

 

 

前置きが長くなったけど

いずみ弟ってのはどうやら相当に頭がいいらしい。

という事なのだけれど。

 

 

 

正直それを聞いても、何年たっても、

とてもそうとは思えなかったんだよ!

 

 

 

だってさいずみはさ、大人を怒らせないように

何でもきちんとやって、

何なら大人が喜びそうな事を先回りしてやって、

もうそりゃあ手がかからない子だったんだから。

 

それなのに弟ときたら、さっき怒られたばっかの

やっちゃいけない事を、そのすぐ後に

またやらかしているというバカっぷりよ!

 

 

なんなの!?

せっかくいずみが大人の機嫌をとっているのに

何でそんなくだらない事でまた怒らせるのよ!

それをやったら大人が怒るって、

分かるでしょうが!

何で分からないの!?

 

この子本当にそんなに頭がいいのだろうか?

何かの間違いなんじゃないだろうか?

って本当に思った。

 

 

 

 

そして自分が子育てをするようになっても

その思いは消えなかった。

 

 

男の子あるあるのようで、

息子も何度言っても全然聞かない。

そしてその度に弟の挙動を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

長くなるので続きを②に書くね。

 

 

 

 



 

 

 

あまりに可愛くて忘れられないので

もう一度載せておこーっと。

横顔まで完璧。

おててのモジャモジャもかわいい!

ちょうどその頃のいずみの願いは、

「犬を飼いたい」だったな。

もし機会があるなら、

また犬の居る生活を、自分に与えたい。