久しぶりにテレビをつけた。
民法で新紙幣が金融機関に届けられる事、
NHKで学校内での盗撮の事が放送されていて
NHKを見ることに。
息子の中学はスマホ禁止だけど
来年から高校生、他人事じゃない。
そう思って見始めたけれど
自分自身が中学生だった時の
覗きの被害について思い出したので
今日はその事を書こうと思う。
何だろうこの動悸は。
いずみは結婚するまで実家に居たが、
小学生から結婚するまでの間の20年以上
同じ相手から様々な被害を受けていた。
全て犯罪に当たる。
盗撮のテーマに因んで今回は
中学生の時の覗きの被害に絞って書く事に。
中学生の時の夏休み、お風呂から出てから
着替えを持ってきていなかった事に気づき
二階の自分の部屋に取りに行ったら
ベランダに居た男の子と鉢合わせした。
自宅のベランダで他人に鉢合わせするのがもうおかしい。
その日は何かボーっとしていたのだろう、
着替えを持って行くのも忘れたし、
カーテンを閉めるのも忘れていた。
だから鉢合わせした時はお互いが丸見えだった。
タオルは被っていたけど
どこまでガード出来ていたかは分からない。
どうしてそこに居るのかといずみが聞くと
何やら確認するために来たと言う。
お前にいずみの家の事を確認してもらう筋合いはない。
相当動揺していたので他は何も言えず
帰ってもらいカーテンも窓も閉めた。
恐ろしくてガクガクしながら下に行き
母親に事の詳細を話して
相手の親に言って注意してほしいと頼んだ。
今まで何度言ってもその子の親に
注意してくれる事は無かったが
不法侵入されて半裸を見られたら
さすがに親も動くと思ったのだ。
けれどいずみの母親はさすがだった。
「見られただけでしょう?
襲われたわけじゃあるまいし、
裸なんて減るもんじゃあるまいし。
そんな事いちいち気にする
あんたの方がおかしいわ。」
「あんたは子どもがいないから分からない。
自分の子どもが悪い事をして
その事で親が何か言われるのが
どれ程辛い事なのか。
同じ親として相手の親に
そんな思いをさせる事なんて出来ない。
あんたが我慢すれば誰も傷つかずに済むのに
なぜそんな事ぐらい出来ないの?」
誰も傷つかずに?
いずみは傷ついていますけど。
いずみの母親は、これを正当な教育だと思っている。
娘を正しく𠮟っていると本気で思っているし、
同じ親として他人を思いやる事が出来る
優しい人間だと思っているのだ。
勿論娘を愛していると自覚しているし
娘をこんなに可愛がっていると思っている。
こんな事を娘に平気で言う親でさえ、
娘を愛していると言えばそちらが真実になってしまう。
世の中は母親の言う事を神聖化しすぎている。
ナリ心理学ではこれを子育てポルノと言って危険視している。
毒親というと暴力を振るったり
食事や衛生環境を与えないといった
あからさまな行為をする親の事を指すと
まだまだ世間では思われているようだけど
実際には外から見て非常に分かりにくい
精神的に子どもを追い詰めるタイプの毒親が
一番多いのだという。
ベランダで鉢合わせた奴は近所に住む
一つ下の弟の同級生だ。
自分の家の二階の窓から出て
何軒も屋根伝いに移動して
二階のいずみの部屋に通う。
こんな事をしても何のお咎めもないなんて
奴にとってはいずみ実家は恰好のターゲットだ。
その後も自分の部屋に行ったら
カーテンの向こうに人影が映っていたり
帰宅後に着替えだしたら覗かれていたりと
覗きの行為はなくならなかった。
この事でいずみは二つの傷を負った。
一つ目は覗きの被害に遭った傷。
二つ目は母親による傷。
「裸なんて減るものじゃあるまいし」
って、覗きや盗撮の加害者が言うらしいけど
いずみはそれを母親から言われて
心底悲しかった。
同じ女性で、しかも親である母が
娘がこんな事をされても平気だなんて
自分は愛されていない事を証明されたと
子どもは受け取る。
減らなければ犯罪にならないのなら
傷害罪や名誉棄損の罪がなぜあるのか。
減るものじゃあるまいしってのがそもそもおかしい。
隠したり穏便に済ませたりするのは
決して優しさや思いやりじゃない。
弟の同級生のこの加害者も、
うちの親が相手の親に話し、
注意と指導を受けていれば、
その後の加害を防ぐ事が出来たかもしれない。
いずみがした我慢など100%無駄な我慢だ。
正しく対応することは
被害者の未来も加害者の未来も
救うことにつながると思う。
学校や企業はイメージダウンなど恐れず
加害者の指導や処分をしてほしい。
自分達の団体に属する一人一人を
大切にすることに注力してほしい。
そうする事でむしろ信用が上がり
長期的に見たらイメージダウンにならないと思う。
重い記事だったので
せめて景色だけでも綺麗なものを。
子どもが小さい頃よく行った場所の
お気に入りの眺め。
お気に入りを撮りたい気持ちは皆あるけど
人を傷つけてまで撮るようなものは
何ひとつないはず。