こちらの続きを書くよ。
いずみが小学生の時は、
毎年学校で知能検査があったの。
でもそれは通常保護者にも本人にも
結果が伝えられない。通常は。
いずみの一つ下の弟は、知能検査で
通常ではない数値をたたき出した。
どうやっても、何があっても、
東大入学確実と言えるくらいの高IQ。
勿論学年トップで、二校が合わさる中学でも
IQ「だけ」なら学年トップ。というのは、
IQの割に成績は良くなかったから。
今なら分かるよ。「あの親じゃあね!」
でもさそんな親が何とかしようとして
気持ちだけはそりゃあ必死だったの。
何とかして弟に勉強をさせようとして。
こんなに頭のいい子そのままにしたら勿体ないから。
え、いずみは?
「お前はまあ普通だから。」
「お前は結婚するだけから。」
「弟は特別だから。」
いずみは中学の頃いつも思っていた。
じゃあ何で、いずみは勉強しているのだろう?
じゃあ何で、毎日学校に行っているのだろう?
人類の半数居る女子たちは、
何のために十数年を勉強に費やしているのだろう?
「どうせ」結婚するだけなのに。
「どうせ」結婚するだけの未来のために
何故みんなは勉強を頑張れるのだろう。
そして結婚には苦痛しかないように見える。
「普通の」いずみが大人になる事に絶望しかない。
そんな未来のためにいずみは頑張れない。
じゃあせめて結婚するまで面白そうな職業に就こう。
いずみは美容師か服飾関係の仕事に就きたかった。
い「美容師になりたい。」
親「だめ。美容学校には絶対に入(い)れない。」
い「じゃあ、服飾科のある高校に行きたい。」
親「だめ。レベルが低すぎる。」
???
いずみはどうせ結婚するだけだから
別にいいんじゃなかったの?
いずみは普通だから、
レベルが低い学校に行ってもデフォルトじゃ?
いずみの学業成績などろくに関心もなく
進路の相談をしてもとっととかわされ
自分達が否定していない職業にしか
絶対に就かせないようにしていた。
いずみの人生って何だろう?
いずみは大人になったら
どうなってしまうのだろう?
中二の時に思った。
服飾の学校と同じくらいのレベルに
いずみの成績がなれば、
親は諦めてそこに入る事を承諾するだろう。
けれど両親は、そこと同じくらいの
普通科の高校に行く事しか承諾しなかった。
当てが外れてしまった。大外れだ。
終わった。高校に入ったいずみは
本当にこれで終わったと思った。
授業が始まるとその内容に驚愕したのだ。
これ、中学でやったよね?
進学したはずなのに授業の内容は
知っている事ばかり。
学びは進んでいないのだ!
中学で教わった事をこんな遠くまで
わざわざまた聴きに来るのか?
本当に、何のための学校だろう!?
何月頃か覚えていないけれど。
人間関係で悩みがあったわけでもない。
いじめられていたわけでもない。
けれど学校に行くのが嫌になった。
本当に、学校に行く意味が見いだせなかった。
中学で習った事しか教えない教員たちに
何のクレームも言わない生徒たちにも
疑問しかなかった。
そんなレベルの学校だったのだと
どこかで分かってはいたけれど
気持ちの持って行きようがなかった。
もう、あそこに行きたくない。
その気持ちが強い日は、
いずみは学校に行かなくなった。
体調不良になるとかもなく
行きたくなくて行けない、それだけで休んだ。
今でいう不登校児とはちょっと違うけど
学校に行ったり行かなかったりの日が続いた。
そういう学校に来る結果を自分が招いたと
自覚してからはまた毎日学校に行き出したけど
1~2か月続いた記憶がある。
ここまで書いて
誤って投稿してしまいました。
続きです。
毎日学校には行っていたけど
勉強するようになった訳ではなく
相変わらず絶望の日々は続いていた。
むしろ絶望に絶望を重ねた感じで
なんだかやけくその様に
面白おかしく学校生活を
楽しむことに注力していた気がする。
いずみのこの学校生活や勉強に対する姿勢など
突っ込みどころは満載だと思う。
それはそうだろう。子どもだから。
しかも普通の子どもじゃないから。
親から生きる力を与えられなかった
子どもだから。
その後の人生を建設的に考える力など
持ち合わせていなかったんだよ。
いずみの不登校中、母は一度担任に
連絡をしたらしい。
そして何も言わずにそっとしておく
そう判断して言葉一つかけなかった。
こんなことがあったんだよ、
でも私の判断が正しかったから
あんた又学校に行くようになったんだよと
母は自分の手柄のようにいずみに言った。
呆れてものが言えない。
いずみの姿勢には突っ込みどころが満載だ。
だが母の姿勢にはもっと
突っ込みどころが満載だ。
最近でもよく言われている。
不登校の子は無理に行かせない。
勿論それはそうだろう。
が、勘違いしている親が多い。
「そっとしておく」という名目で
本当に何もしない親がいるんだよ。
そんなんで子どもが変わる訳ないじゃん。
いずみもそう。
あんたの「そっとしておく」で
学校に行くようになったわけじゃない。
小学生の時にもピアノの先生に叩かれて
ピアノ教室サボるようになった事があった。
怒鳴って叩く先生が恐怖でたまらなかった。
(正直、もっともっとある。
見て見ぬ振りされたことが。)
その時も、高校に行かなくなった時も
親として、ちゃんと向き合って欲しかった。
何その「そっとしておく」って?
何かの魔法なの?
そうすれば子どもの問題は
解決するとでも?
自分で解決出来ない子どもにとって
「行かない」ってSOSのサイン。
ちゃんといずみの話を聞いて、
解決の手助けをして欲しかったんだよ。
その高校に行かなければいけなくなる前に
いくらでも方法があったのに。
親としてそんな事すらしようと思わなかったの?
弟の事ではあんなに学校に相談に行くのに?
いずみの心の中にはそんな思いがあったの。
それが自分で思っているより強かったみたいで
息子の高校進学問題や勉強問題に直面すると
自分が中学の時の辛かった思いが蘇って
身動きが取れなくなっていたんだな。
でもねさっき、これを息子に話したんだ。
五教科の点数も話した。
息子は、お母さんはちゃんと勉強してきたと
思っていたかもしれない。
でもこれでちゃんとしたお母さんはいなくなった。
息子と同い年のお母さんは
人生に絶望してやる気をなくし
君と同じように全く勉強しない
どうしようもない中学生だったんだ。
もうこれで息子に勉強しろとか将来の為とか
胡散臭い事は一切言えなくなった。
いいんだよそれで、胡散臭いんだから。
それ何の為にもならないんだから。
自分のこんなところ見せるの嫌だったけど
お母さんの幻想が無くなって良かった。
K君ママとか卓球部の優秀ママと
お母さんは全然違う。
毒親出身で苦しみながら子育てしてる
カッコ悪いお母さんだ。
胡散臭いから泥臭いに変わっただけだ。
「かんてんぱぱ」の
水まんじゅう手作りキットを作りながら
聞いていた息子は
どこまで覚えているか分からないけど。
作り終わったら「勉強してくる。」
と言って二階に上がって行った。
息子のテストの点数は当時のいずみより低い。
でも、ブログに書いた事話したら
別にどうも思わなくなった。
思うのは、
勉強したくないよね。
中学生の時のお母さんと同じだね。
仲間だね、仲よくしよう。
でも、お母さんより、
今は勉強するようになったね。